Quantcast
Channel: アジアと小松
Viewing all articles
Browse latest Browse all 921

M さん保管文書 (1974.10.19~1975.9.23)

$
0
0
M さん保管文書 (1974.10.19~1975.9.23)

①1974.10.19【名古屋防衛施設局から小松市へ】小松基地において自主的騒音規制について
②1974.10.25【名古屋防衛施設局から小松市へ】小松基地ファントム配備に伴う当庁の諸施策について(案)
③1974.11.19【小松市から名古屋防衛施設局へ】第303飛行隊関連施設の整備について
④1974.12.21【名古屋防衛施設局から小松市へ】小松基地ファントム配備に伴う騒音対策大綱(案)
⑤1975.2.27【名古屋防衛施設局から小松市へ】小松基地安全ならびに騒音対策大綱について
⑥1975.6.10【小松市議会から内閣総理大臣へ】意見書
⑦1975.7.4【名古屋防衛施設局から小松市へ】確認書(第1案)、協定書(第2案)、協定書(第3案)
⑧1975.7.17【石川県、小松市など】防衛庁に対する回答の基本方針(案)
⑨1975.8.27【名古屋防衛施設局から小松市議会へ】航空自衛隊小松基地へのF4EJ機配備について
⑩1975.8.27【名古屋防衛施設局から小松市議会へ】航空自衛隊小松基地に係る懸案事項の解決促進について
⑪1975.9.16【小松市から名古屋防衛施設局へ】協定書案
⑫1975.9.23【名古屋防衛施設局から小松市へ】航空自衛隊小松基地に係る懸案事項の解決促進について
⑬1975.10.4【防衛庁・小松市】小松基地周辺の騒音対策に関する基本協定書
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(1)紳士協定か毒まんじゅうか
 第5,6次小松基地爆音訴訟で、国(防衛省)は「第4準備書面」のなかで1975年に小松市などとの間で結んだ「10・4協定」を「精神条項」「紳士協定」「法的義務はない」などと主張している。

 当時の経過を振り返ると、1971年防衛庁はファントム配備のための滑走路かさ上げを発表し、1972年にファントム配備を発表し、1974年に竹内伊知さんが「ファントム配備反対」を掲げて市長選で当選した。

▽三原則
 竹内市長は3原則を掲げて防衛庁と折衝した。3原則とは、第1に国が騒音公害の原因者であることを確認すること、第2に公害対策基本法の精神に基づき、原因者負担の原則を確立すること、第3に環境庁の示した空港周辺環境保全基準を確実に順守すること(第2種Bとしての格付けを前提)というものだった。

 1975年10月に「10・4協定」として決着を見るのであるが、それまでに様々な曲折があった。とくに、協定締結の1年前(1974.10.19)に防衛庁は、小松市にたいして「小松基地において自主的騒音規制について」という文書を手交している。

 摘記すると、「就寝時間帯は飛ばない」「昼食時は飛ばない」「議会中は飛ばない」「入試時は飛ばない」「お旅祭時は飛ばない」「人家を避け北側に離脱する」「東方向へは編隊離陸をしない」「着陸時には市街地に入らない」「サイレンサー、防音提、防音壁を作る」「基地騒音対策機構を特別編成する」などと、協定締結の1年前には自ら約束しているのである。

▽紳士協定
 市民に約束したことを「紳士協定」「精神条項」というなら、国の約束の総てが「紳士協定」と化し、「法的義務はない」ことになってしまう。

 そして1975年7月4日には、防衛庁は「公害対策基本法の精神に則り」「航空機騒音に係る環境基準についてに従って、環境基準の達成を期す」と防衛庁の方から「確認書(案)・協定書(案)」を、小松市に手交しているのである。「公害対策基本法」は基本法なので、罰則は明示されていないが、「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律(公害罪法)」と一対であり、基本法を踏みにじることは許されない。

▽助け船「達成を期する」
 防衛省が自ら進んで約束したことを「紳士協定」「精神条項」「法的義務はない」などと言わせていいのか。当時の防衛庁は小松市民を欺くために様々な工夫を凝らしていた。協定締結直前の防衛庁からの「航空自衛隊小松基地に係る懸案事項の解決促進について」(1975.9.23)には、(この文書の保管者の)メモ書きが付されている。「米沢提案“速かに”は7年と了解する文書をとりかわす」「中野提案“達成する方針である”を消す(註:アンダーライン部分)」と、防衛庁のこざかしさに警戒している様子がうかがえる。しかし「森提案“達成を期する”」とも書かれており、森喜朗が助け船を出している。

▽毒まんじゅう論
 防衛庁の腹の中は「10・4協定=紳士協定」であり、私たちは「10・4協定=毒まんじゅう」と批判した。「10・4協定」を協定たらしめるか、紳士協定たらしめるかは、私たちの政治的力如何にかかっている。2000人の原告団と共に、第5,6次爆音訴訟をたたかい、防衛省(小松基地)の野望をうち砕こう!

 以下、「10・4協定」が結ばれるまでの1年間の諸文書、とくに「75・9・16協定書案」と「10・4協定」を比較し、小松市が要求したが、無視ないしは精神条項に格下げされたことについてまとめておこう。

(2)「75・9・16協定書案」と「10・4協定」の比較
▽「運行対策」
 小松市は「すべての訓練は、会場で実施する」と提案したが、「要撃戦技訓練」に限定された。これによって、タッチアンドゴー(空母着・離陸)訓練や白山周辺での山岳訓練を可能にした。また、「落雷予知観測研究機関の常設」は「充実を計る」とされ、遠い将来の「計画」に格下げされた。

▽「周辺対策」
 小松市は移転希望者が申請したその「年度内」に移転補償せよと主張しているが、国は「翌年度内」にはじき出している。「移転先地の道路・上水道・排水施設・集会所等の公共施設を防衛庁の責任において整備する」と、「防衛庁の責任」を明確化しようとしたが、削除されてしまった。また、「移転先地の先行取得に対する利子補給制度を確立する」という具体的提案にたいして、国は「…有効な方策の研究を計る」と、うやむやにしてしまった。

 さらに、「農耕阻害補償を増額するとともに、その対象区域をWECPNL75を超える区域に拡大する」と、具体的に提案しても、国は「…拡大に努める」とし、努力目標にされてしまった。

 小松市は「WECPNL70を超える区域内の学校、幼稚園、病院、診療所、保育所その他騒音防止を必要とする公的施設に対しては防音工事を実施する」ことを要求したが、国は「WECPNL70を超える」を削除し、できるだけ防音工事対象区域を狭めようとしてきた。

 小松市は「指定区域および第2種区域を定める告示の日以降に新築された建物をも、移転補償の対象に加える」ことを要求したが、国は無視し、削除した。

▽「騒音源対策」
 小松市が、離着陸方式・飛行経路を「改善し、恒久的に実施する」と提案しても、国は「改良を心がける」と努力目標に貶めた上で、念には念を入れて「恒久的に実施する」を削除し、いつでも離着陸方式・飛行経路を変えることができるようにした。

 小松市は早朝を「午前7時以前」とし、夜間を「午後9時以降」と明確に規定し、離着陸・試運転を禁止しようとしたが、国は具体的な時間規定を削除し、曖昧化できるようにした。

 小松市は「磁方位240度方向へ離陸し、磁方位240度方向から着陸する」と、数字を示して、小松市上空での飛行を阻止しようとしたが、国はこの項目全体を削除し、離着陸方向の具体的タガはめ規定を削除した。

 小松市は「防音林、防音堤、防音塀等を設置する」ことを約束させようとしたが、国は「別途協議する」と協議事項にしてしまった。

▽「民生安定政策」
 小松市が提案した騒音用電話機設置、テレビ受信料減免のWECPNL70以上への拡大、電話料金の減免、地価下落防止対策は完全に無視された。

 そして、「騒音の医学的被害について調査研究をし、その被害に対しては国費で診療し、補償する」という小松市の提案を反故にするために、「医学的被害」は「医学的影響」にされ、「国費で診療し、補償する」が「国費で調査研究する」とされた。国は騒音による身体的影響を認めようとしなかったが、騒音訴訟でそれは明らかにされている。

 このように、小松市長は住民を代表して、住民が必要とするさまざまな要求をとりまとめて、国・防衛庁と交渉したが、結果は「10・4協定」という不充分な内容で決着をつけられた。

(3)国・防衛庁から出された約束
資料①によれば、
◆飛行(離着陸・試運転)時間
 22:00以降翌朝07:00(06:00~07:00基地司令の承認が必要)の間止むを得ない要務飛行のほか、ジェット訓練機の離発着及び地上での試運転等を自粛する。試運転の実施は上記時間内でも風向及び雲の高さ等考慮しております。12:00~13:00の間止むを得ない要務等のほか、ジェット訓練機の離発着を自粛する。
→国は午後10時から午前7時までは離着陸・試運転はしないと約束している。昼休み(12時から1時まで)時間も離着陸しないと約束した。

◆市民生活
 市議会本会議及び重大な会議では飛行訓練の中止。その他の会議実施間(委員会等)には安全上許す限り海側(西向)に離陸し、着陸は西側から侵入する。市内高校入試間(一部の課目)の飛行訓練中止。小学校等での特殊テスト間(知能テスト)の飛行訓練中止。お旅まつり、その他重要な行事では訓練量、時間帯、訓練課目、侵入要領等を規制する。
→実際に守られているのか? 

◆離着陸方法
 飛行性能及び飛行安全確保上許される範囲内で海側(西向)についてのみ離陸する(主として有視界飛行状態)。T/oFLAPのUPの時機を遅らせ速やかに高度を収得する。可能な限り人家を避け北側に離脱する様に努める。東向に離陸せざるを得ない場合には編隊離陸を実施しない。
 着陸侵入コースを現在より更に海側に変更。着陸侵入高度を更に高く規定する。最終着陸コースのオーバーシュート防止(市街地内に入らない)。
→「飛行安全上」という条件付で加賀市側に離陸すると約束したが、逆に佐美町の騒音が増えている。市街地上空を飛行しないと約束した。

◆防音施設、防音堤、防音林
 サイレンサー、防音提、防音壁。基地内に総合的な防音林計画を立案し、現在は松林内の若木を移植して(約900本)防音林を造成中。サイレンサー周辺については、三重、四重の遮断を考え…竹林(約60本を県林業試験場の指導で金沢から移植)を試験的に造成し逐次拡大したい。サイレンサーの音が他に溢脱しないよう「防音壁」を考察し実施。松林内に土を運搬し防音提を作成中。防音林(樹種等)の検討。
→実際には防音林の伐採がおこなわれているのではないか? 三昧谷の旧国有林(防音林)を伐採してえん体、弾薬庫を作っているのではないか?

◆騒音対策機構
 基地騒音対策機構(副司令を長として基地内の所在各部隊から騒音対策幹部をそれぞれ指名し、総合的に且つ一貫した専門的に取らえて対策を立てることを目的とした特別編成の組織)。問題処理班(基地周辺の住民等からの騒音等の各種指摘事項があった場合、直接その人たちに面接し問題点を処理していくことを目的とした専門のチーム)。
→基地騒音対策機構、問題処理班は存在しているのか? 一時しのぎの対策的対策だったのではないか? 「面接」というのは住民にたいする抑圧ではないのか?

資料②によれば、
◆安全性及び航空機整備等について
 操縦関係―故障判断能力の向上、緊急事態対処能力の向上。
 整備関係―各種装備品の確実な装着点検を実施。

◆騒音源対策
 地上騒音源対策=サイレンサー、防音堤、防音壁等を設置。背風離陸。基地内の緑化計画(基地の場周に幅50~100mの緩衝緑地帯。滑走路西側300m延長計画。騒音対策研究機関の設置(検討)。
→現在も幅50~100mの緩衝緑地帯はあるのか?

◆騒音対策
 滑走路長軸を中心とした指定区域(1080m×2000m)内民家移転―申請があれば実施する。個人住宅防音―当面防音改造(1室)・完全空調→環境基準のWECPNL65以下に達成(補助額は100%)。

資料④によれば、
◆現在の騒音被害軽減対策
 移転補償、移転先地の公共設備整備、個人住宅防音工事の早期着手、テレビ用共用受信施設の設置

◆今後の努力すべき騒音対策
 騒音の著しい地域→農耕阻害補償の増額、騒音電話機設置の促進等
 その他の騒音地域→防音校舎等の除湿施設の設置、集落付近の騒音軽減目的の緑地化等

◆飛行安全施策
 要撃戦技訓練の海上実施、飛行中の重大な故障発生時の海上離脱努力、防音林、防音堤の整備

資料⑤によれば、
◆安全対策
 努めて、市街地上空を飛ばないよう飛行経路を選定する。要撃戦闘訓練は、海上で実施する。飛行中、重大な故障が発生した場合は、地上被害を避けるため、海上に離脱する等最善の措置を講ずる。

◆騒音対策
 騒音源対策(早朝・深夜および昼休み時間には、緊急発進その他運用上、特に止むを得ない場合を除き、離着陸および試運転を自粛する。高校入試、お旅まつり、その他市の主要行事には、出来る限り飛行を制限し、または中止する。騒音を軽減するため、防音効果を検討し、防音林、防音堤等を整備する)
 周辺対策(指定区域およびWECPNL90以上の区域内の移転希望者については、移転補償を実施する。WECPNL85以上の区域の個人住宅については、防音工事を実施し、空調付きとする)

◆その他の対策
 小松市を「特定防衛施設関連市町村」に指定する。名古屋防衛施設局、第6航空団、小松市、小松市議会および地元関係者で構成する「小松基地騒音対策連絡会(仮称)」を設置する。テレビ受信料減免区域内について、テレビ共同受信アンテナを設置し、受像傷害を防止する。生活環境の向上を図るため、道路その他の生活環境施設の整備充実を積極的に促進する。公立および私立の医療施設の防音工事にたいし、補助する。公私立幼稚園または保育園の防音工事にたいし、補助する。

◆今後努力する事項
 対象事業の拡大ならびに地元負担の軽減。農耕阻害補償の対象区域の拡大および補償費の増額。騒音防止用電話機の増設。テレビ受信料減免区域の拡大。防音校舎等(小・中学校、高等学校、幼稚園、保育所、特別養護老人ホーム、病院、診療所)に除湿装置の取付け。防音校舎の維持費および施設更新費の補助。有線放送設備の更新、増設費の補助。騒音激甚地区内の市道の改良・舗装費の補助。その他、必要な補償措置があれば、それについても調査する。移転補償の促進を図る機関または制度の確立。騒音の軽減を図る研究機関の確立。南西方向への滑走路移設の検討。

(4)小松市の要求
 9月16日、小松市は名施局との協議の場に最終案を出した。その中から小松市の要求を摘記しておこう。
◆運航対策
 つとめて市街地及び人家連たん地区の上空を飛ばない。すべての訓練は、海上で実施する。
→「すべての訓練」が「要撃戦技訓練」に限定された。
 飛行中、重大な事故が発生した場合は、地上被害を避けるため、必ず海上に離脱する。ターゲット、ドロップタンク等各種装備品は、その装着を厳重に点検する。落雷を予知するための観測研究機関を常置する。
→「常設する」が「充実を計る」と抽象化された。

◆周辺対策
 指定区域及び第2種区域の区域内の移転希望者については、申請をした翌年度内に移転補償を実現する。集団移転(10戸以上)については、移転先地の道路・上水道・排水施設・集会所等の公共施設を防衛庁の責任において整備する。
→「防衛庁の責任」が削除された。
 移転補償を促進する機関または制度を確立するとともに、移転先地の先行取得に対する利子補給制度を確立する。
→有効な方策の研究を「計る」とされた。
 移転跡地を使民球場、市民農園、緑の広場等に整備するとともに、除草、排水溝の整備その他の管理に万全を期する。農耕阻害補償を増額するとともに、その対象区域をWECPNL75を超える区域に拡大する。
→「拡大に努める」と努力目標にされた。
 指定区域および第2種区域を定める告示の日以降に新築された建物をも、移転補償の対象に加える。

◆騒音源対策
 騒音を発生源で防止するため、機材を改良し、ならびに離着陸方式・飛行経路等運行方式を改善し、かつ、これらを恒久的に実施する。
→「改良を心がけ」と精神条項に切り下げ、「恒久的に実施する」が削除された。
 早朝(午前7時以前)、夜間(午後9時以降)および昼休み時間(正午から午後1時まで)には、緊急発進その他特に止むを得ない場合を除き、離着陸および試運転を中止する。
→具体的な時間規定が削除され、曖昧化できる余地を残した。
 高校入試、お旅まつりその他小松市の主要行事で、小松市が要請する場合は、出来る限り飛行を中止し、または制限する。
 飛行安全の確保上許される範囲内で、磁方位240度方向へ離陸し、磁方位240度方向から着陸する。
→この項目全体が削除され、離着陸方向の具体的規定が削除された。
 エンジン調整(ランアップを除く)はすべてサイレンサーを使用する。防音林、防音堤、防音塀等を設置する。(位置ならびに仕様は別図で示す)
→「別途協議する」と協議事項にしてしまった。
 基地周辺における騒音の測定は常時実施するものとし、その管理は防衛庁、石川県、周辺市町村が共同で行う。前項の調査結果に基づいて、少なくとも年1回騒音コンターの見直しを行う。

◆周辺対策
 住宅の防音工事については、年次計画により実施する。WECPNL70を超える区域内の学校、幼稚園、病院、診療所、保育所その他騒音防止を必要とする公的施設に対しては防音工事を実施する。
→「WECPNL70を超える」が削除された。
 新設既設を問わず、防音施設には除湿装置を取り付ける。(メモa防音施設の維持費、修善費については、耐用年数を経過したものは更新する。)。防音施設ならびに有線放送設備等の維持費、修繕費、増設費および更新費を国が負担する。(メモc耐用年数に達しないで、所期の効果が●なくなった場合、実情調査の上、●●の措置を講ずる)(メモb有線放送施設の増設は実施する。また耐用年数に達したものの更新については実施を計る)(メモ:騒音調査の結果を勘案して拡大に努める)
 テレビ受信料減免区域および騒音用電話機設置区域をWECPN70を超える区域に拡大する。テレビ受信料減免区域内について、年次計画により、共同受信アンテナを設置する。緩衝緑地帯を積極的に造成する。小松市の街づくりを積極的に援助する。WECPNL70を超える区域について、電話料金を減免する。
→電話料金の減免事項は無視された。

◆民生安定政策
 WECPNL70を超える地域の民生安定対策事業の一部は、補償事業として地元の負担は課さない。その他の地域の民生安定対策事業についても、補助率を引き上げ、かつ、当該事業における超過負担を解消する。特定防衛施設周辺整備交付金を大幅に増額(毎年度、標準財政規模の10%を下回らない額)し、その使途ならびに運用は小松市に一任する。民生安定対策事業費の小松市負担分に対して、新規財源を確保する。飛行場周辺の地価下落防止対策を講ずるとともに、日常生活上の被害に対して補償する。
→地価下落防止については無視された。
 騒音の医学的被害について調査研究をし、その被害に対しては国費で診療し、補償する。
→「医学的被害」は「医学的影響」にされ、「国費で診療し、補償する」が「国費で調査研究する」とされた。

(5)「1075・10・4協定」
◆安全対策
 努めて市街地上空を飛ばないよう飛行経路を選定する。要撃戦技訓練は、海上で実施する。飛行中、重大な故障が発生した場合は地上被害を避けるため、海上に離脱する等の最善の措置を講ずる。ターゲット、ドロップタンク等各種装備品は、その装着を厳重に点検する。落雷を予知するための観測及び研究の充実を図る。

◆騒音源対策
 騒音を発生源で防止するため、器材の改良を心掛け、並びに離着陸方式、飛行経路等運航方式を改善する。早朝、夜間及び昼休み時間には、緊急発進その他、特に止むを得ない場合を除き、離着陸及び試運転を中止する。高校入試、お旅まつりその他小松市の主要行事で小松市が要請する場合は、できる限り飛行を制限し、又は中止する。エンジン調整(ランアップを除く)は、すべてサイレソサーを使用する。防音林、防音堤叉は防音塀等を設置する。(位置並びに仕様は別途協譲する)

◆周辺対策
 テレビ共同受信アンテナの設置については、自衛隊機の航行により障害を受けている地区について実施する。騒音用電話機の設置は、全体計画に基づき実施して来ているが、新たな要望があれば、騒音による障害を受けている地区について再度全体計画を作成する。学校、幼稚園、病院、診療所、保育所その他騒音妨止を必要とする公的施設に対しては防音工事を実施する。又、新設、既設を問わず防音施設には除湿装置を取り付ける。防音施設(防衛施設周辺の生活壊境の整備等に関する法律第3条第2項に基づき実施したものに限る)については、耐用年数を経過したものは更新する。耐用年数に達しないで所期の効果が得られなくなった場合は、実情調査のうえ所要の措置を講ずる。
 第1種区域内に所在する住宅の防音工事については、対象住宅及び業者の選定並びに居住者との調整等の業務について、小松市の協力を得て実施計画をまとめ、まとまったものについては、要望の時期に実施する。小松市の協力を得て申請のあった第2種区域内の移転希望者については、翌年度内に移転補償を実施する。集団移転(10戸以上)については、移転先地の道路、水道排水施設等の公共施設が整備されるよう助成する。
 移転跡地を緑の広場等に整備するとともに、緩衝緑地帯を積極的に造成し、除草、排水溝の整備その他の管理に万全を期する。有線放送施設の増設は実施する。また、耐用年数に達したものの更新については実施を図る。テレビ受信料減免については、騒音調査の結果を勘案し、範囲の拡大に努める。農耕阻害補償の拡大に努める。
 小松市の街づくりを積極的に援助する。騒音の人体に及ぼす医学的影響について、国費で調査研究する。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 921

Latest Images

Trending Articles