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「沖縄自己決定権」確立への道

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『沖縄の自己決定権―その歴史的根拠と近未来の展望』(琉球新報社/新垣毅編著)

       

第Ⅲ章 「沖縄自己決定権」確立への道

 著者は1879年の「琉球処分」は国際法上不正だったとしている。その理由は、琉球はもともと独立した国家であり、米国などと条約を結んでおり、国際法上の主体であり、日本の一部ではなかったからだという。

ウィーン条約法条約
 1880年に発効した「ウィーン条約法条約」には、日本も加入(1881年)しているが、その第51条には「国の代表者への脅迫や強制行為の結果結ばれた条約は無効」と規定されている。1879年の琉球併合時には「ウィーン条約法条約」は国際慣習法として成立していた。

 植村英明(恵泉女学院大学教授)は「琉球処分は国内問題ではなく、国際問題であり、琉球の植民地化だった」とし、阿部浩巳(神奈川大学教授)は「日本国は自国の一部ではなかった琉球王国を強制的に併合した。松田道之の行為は国際法上不正であった。韓国併合、琉球併合とも伊藤博文が主導した」(要約)としている。

ダーバン宣言
 1962年のダーバン宣言では、「植民地支配の責任を追及し、過去の不正義を是正しなければ未来はない」と明示している。宣言によって、過去の不正義を糺す潮流がうまれ、侵略国が不正義の事実を認め、謝罪する動きが加速した。

 2011年、韓国憲法裁判所の判決では「慰安婦」問題は未解決だとして、日本と再協議するよう韓国政府に求め、2012年、韓国大法院判決は日本の朝鮮半島支配は違法と断じた。にもかかわらず、日本政府は琉球王国やアイヌモシリ(人間の静かなる大地=北海道)について、植民地と認めたことはない。

ハワイでは
 1810年にハワイ王国が誕生し、1850年に憲法を制定し、諸外国と条約を締結している。1893年にアメリカはハワイを併合したが、100年後の1993年、米国議会はハワイ王朝を不法に打倒したことを公式に認め、謝罪し、クリントン大統領がサインした。
 
 2010年には、国連人種差別撤廃委員会は琉球人を先住民族、独自の民族と認め、「米軍基地の押しつけは人種差別」と勧告した。

琉球(沖縄)
 このように、沖縄(琉球)は日本国によって暴力的に併合されたのであり、今もなお日本国の利害にもとづき、米軍基地を押しつけられ、不当な差別を受けている。

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