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『小松の空から…』第14集1993.12

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『小松の空から…』第14集1993.12

航空自衛隊小松基地をアジア(朝鮮)侵略の出撃基地にするな!
来春『もんじゅ』稼動=日帝の核武装を許すな!
自衛隊法100条改悪=本格派兵を阻止しよう!

目次
(1)小松基地重視をうちだした細川内閣の超反動性
(2)小松基地を中心とした、自衛隊3軍統合演習の狙い―アジア(朝鮮半島)上陸のシナリオ
(3)北東アジア経済圏の軍事的要としての小松基地―環日本海運動の反動的性格
(4)北陸の核基地化―『もんじゅ』稼働を許すな!
(5)アジア人民への血億にかけて、北陸の要撃基地化に対決しよう!

① 小松基地重視をうちだした細川内閣の超反動性
 さる9月8日、細川内閲の中西防衛庁長官が、就任後最初の航空自衛隊の視察として、小松基地を訪れ、「北朝鮮の新型ミサイルに対処するために米国が提唱している戦域ミサイル防衛(TMD)計画をおしすすめる」と発表した。「迎撃」を口実にしているが、実際は小松基地を中心として、日本海側の自衛隊基地に対アジア攻撃用ミサイルを配備しょうとしているのである。「迎撃用ミサイル」とはいえ、さきに発射すれば攻撃用ミサイルとなるからである。

 防衛庁長官が就任後におこなう航空自衛隊の視察は、これまでは茨城県の百里基地だったが、今回初めて小松基地でおこなった。このことは朝鮮半島情勢を意識した、朝鮮半島への攻撃基地である小松基地重視を示している。

 次に述べる自衛隊3軍統合演習では、小松基地は航空自衛隊の中心的役割を果たしている。この演習は6月から準備され、あまりにも現状破壊的な軍事演習のために、宮沢内閣の河野官房長官や外務省サイドから中止論が吹き出したといわれている。しかし、細川内閣はこの軍事演習にたいして、「質問もなく、すんなり」と承認したのである。この一事をみても細川内閣は自民党よりもはるかに凶悪な戦争推進内閣であることが分かるではないか。そして社会党は閣内にありながら一言のクレームもつけなかったのである。

 また細川内閣は「邦人救出のための自衛隊機派兵」のために、自衛隊法100条を改悪しようとしている。アジアに侵略する資本(資産)と尖兵(企業戦士)を守るために自衛隊の出動を認める法律である。まさに古くて新しい問題であり、かつてめ侵略派兵は常に「邦人救出」を名目にしておこなわれてきたことを思い出すべきである。1927年と28年には「居留邦人の生命財産の保護」を名目にして、中国山東省に約5千の軍隊を派兵した(第1次、第2次山東出兵)。

 法改悪によって、小松基地は「邦人救出」を口実とした自衛隊機(政府専用機)の出撃基地となる。まさに私達の目の前から侵略の軍隊を派兵するための法改悪であり絶対に許してはならない。ところがこの法改悪にたいして、社会党は半年前までは反対を掲げていながら、今では賛成の側にまわっていることを強く弾劾しなければならない。さらに中西防衛庁長官(元)は「国連の指揮のもとでの軍事行動は憲法違反にならない」「半世紀前に作られた憲法に後生大事にしがみついているのはまずい」と、小沢一郎は「朝鮮有事には自衛隊の派兵を」と細川連立政権は軍大化・改憲攻撃をかさにかかってかけてきている。事態はここまできているのである。

② 小松基地を中心とした、自衛隊3軍統合演習の狙い―朝鮮半島上陸のシナリオ
 9月29日から10月12日まで、陸海空3自衛隊統合演習が行なわれた。1988年以来10年ぶりの事である。人員は9万2000人、艦艇120隻、航空機760機が参加し、過去最大規模の軍事演習となった。

 途中から米軍(海空軍)も参加し、文字どおり日米合同のアジア侵略大演習をおこなったのである。海上自衛隊23万7000人)、航空自衛隊(4万6000人)は全部隊を動員し、陸上自衛隊は9000人が参加した。

 この軍事演習のシナリオは「ロシアからの北海道侵略にたいして、中部方面隊(5700人)が北海道に集結する」というものであるが、実際は北海道矢臼別演習場を朝鮮半島に見立てて、民間フェリーや旅客機などを使って日本海を渡り、朝鮮半島に上陸する演習である。この演習では小松基地からは隊員1700人、戦闘機40数機が参加した。加えて三沢基地からはFl対地支援戦闘機、岐阜基地からはパトリオット(地対空誘導ミサイル)が動員され、航空自衛隊の行動として小松基地が中心的役割をはたしていると新聞でも報道されている。

 この軍事演習を自衛隊幹部は「自衛隊発足から40年近くがかって、やっと統合演習ができるまでに成長した」と述べているとおり、自衛隊はPKO派兵、小選挙区制―改憲を通して本格的な侵略軍隊に変貌しようとしているのである。

③ 北東アジア経済圏の軍事的要としての小松基地―環日本海運動の反動的性格
 かつての1930年代にも、「日本海時代」を呼号して、「安価な原材料を満蒙に求める」ための大合唱をおこなった。日帝の危機をアジア侵略・略奪によって乗り切ろうとする、まさに強盗的な運動であった。その運動の行きついたところが「満州国」デッチ上げであり、15年戦争によるアジア人民2000万人の虐殺であった。

 いまふたたび、日帝の危機を突破するために、地元新聞を使って「環日本海時代」を声だかにキヤンペーンしている。ロシア、中国、北朝鮮の経済的困難を救済・援助するかのような装いをもって、しかしその中身は1930年代とまったく変わらない―北東アジアの資源と労働者(労働力)をエジキにしようとの狙いは同じである。たとえば、日本の資本進出を容易にするために、羅津、先鋒、清津(北朝鮮)、ナホトカ、ウラジオストク(ロシア)、琿春(中国)の諸都市を「経済特区」に指定させ、各種の租税優遇、輸出入関税の免除、利潤の本国送金の自由、労働組合のストライキ制限、女子の深夜労働の容認など、日本国内や帝国主義国では認められないような、不平等・悪条件を押し付けているのである。

 このようなあくどいやりかたで資本進出をしたものの、北東アジア地域は世界で最も軍事的緊報をはらんだ地域であり、日帝資本の防衛のためには、軍事的手段に訴える以外にないのである。さきの9月29日から強行された自衛隊3軍(プラス米軍)統合演習こそ、北東アジアへの資本進出を保障するための軍事演習であり、小松基地は、大東亜共栄圏の現代版としての北東アジア経済圏を軍事的に支えるものとして、今回の3軍統合演習の中

 また小松基地の強化が「環日本海運動」の一環として、国際空港化という一見基地強化とは無関係であるかのような装いをもって、滑走路の増設や延長が策動されていることに、わたしたちは危機意識をもって臨まぬばならない。「政府の言葉」はかならずしも「日帝の本音」ではない。むしろ「政府の言葉」は『防衛』『国際貢献』『邦人救出』『平和利用』に見られるように、人民を欺くためのものであり、わたしたちが「日帝の本音」を見破るためには「帝国主義の本質」から判断しなければならないのである。

④ 北陸の核基地化『もんじゅ』稼動を許すな!
 小松基地の侵略出撃基地化に加えて、北陸全体の核基地化の攻撃を見すえねばならない。すでに福井では14基、石川では1基、新潟では2基の原発が運転しており、そのほかに数基の建設が予定されている。

 とりわけ高速増殖炉『もんじゅ』(福井県)が来春にも本格稼動しようとしていることに注目しなければならない。高速増殖炉『もんじゅ』はプルトニューム製造工場であり、原爆製造工場である。アメリカでは原子炉は原爆用のプルトニュームを製造するためのものとして作られた。その後の発電用原子炉の研究は、軍部の圧力のもとで、高速増殖炉に限られていた。なぜなら高速増殖炉で生産されるプルトニュームの純度は97?98%であり、軍事用プルトニューム生産炉そのものだからである。

 そして高速増殖炉『もんじゅ』の稼働で核爆弾の核反応研究をおこない、六ヶ所村再処理工場を完成させて、核爆弾の自主大量生産を可能にしようとしているのである。

 『もんじゅ』の燃料(プルトニューム+ウラン)はすでに半分以上搬入され、あと2回の輸送で、すべての燃料が原子炉に装填される。そして来春から本格的に稼動させようとしているのである。日帝が『もんじゅ』本格稼働に執着する意図はどこにあるのか。政府は「高速増殖炉は、使っても使っても原料=プルトニュームが再生産される、資源小国日本にとって『夢』の原子力発電所だ」という。はたしてそうだろうか。わたしたちは「政府の言葉」ではなく、政府の実体である「帝国主義の本質」から真の解答を引き出さねばならない。

 日帝はあぐまでも帝国主義であり、資本主義の論理が貫かれた国家である。日帝は市場と資源を求めて凶暴な侵略を
ほしいままにし、他帝国主義との対立・争闘戦は不可避となり、経済的な対立から政治的な対立へ、そして最後には戦争へと行きつかざるをえない。

 かつての第1次大戦や第2次大戦のように世界大的な戦争を迎えざるをえないのである―これは帝国主義国家の本質から必然である。すでに戦後40数年を経て、どの帝国主義も資本主義の生命力を喪失し、経済的危機にあえいでおり、その矛盾を新植民地主義諸国や他帝国主義に転嫁して生き残ろうと必死である。

 日帝は帝国主義として生き残るために、全世界にとりわけアジア諸国への侵略と収奪を強めてきた。アメリカの権益をおしのけてでも自国の市場と資源を確保しようとしている。この対立は理性の範ちゅうにあって爆発するまえにたがいに踏み止まるようなものではなく、経済から政治へ、そして軍事的対立へと破滅の道を突き進む以外にない。

 日帝は帝国主義として生き抜くためにはこの争闘戦―侵略戦争になんとしても勝たぬばならず、現代の「最高の科学」と「最高の技術」をもって侵略戦争を準備しょうと懸命になっている。資本主義が生み出した「最高の科学と技術」こそ、悪魔の兵器としての原子爆弾であり、日帝が核・原発政策を重視する理由はここにあるのである。

 したがって日帝は核政策を貫徹するために、原爆用のプルトニュームをどうしても大豊に保有したいのである。それは高速増殖炉を完成させる以外にないのである。また「原爆を作るから必要」とあけすげに言えないので、『もんじゅ』を発電用の高速増殖炉と偽り、表面上は発電用の燃料プルトニュームとして保有を合法化しょうとしているのである。

⑤ アジア人民への血債にかけて、北陸の核攻撃基地化に対決しょう!
 ところで、日帝の核武装は一体誰に向けられた核なのか。日本への侵略にたいする「本土防衛」の概念から完全にはずれる兵器である。核兵器は無差別=大量虐殺兵器であり、あくまでも対外侵略戦争のための兵器として開発されてきた。(自国領土内での使用は即自国民・労働者への大量虐殺を意味するが、侵略戦争が激化した場合、日帝は自国領土や自国民の一部を切り捨ててでも生き残ろうとする極悪の帝国主義である。かつての沖縄戦で実証されている)

 私達がこの侵略戦争のための核開発=高速増殖炉『もんじゅ』の本格稼働を許してしまうならば、日本はプルトニューム大国=核大国となり、数千発のプルトニューム原爆の矛先はアジア人民に向けられることになるのだ。すでに小松基地では通常兵器としてのミサイル配備がとりざたされている。日帝が核兵器を保有すれば、小松基地には核弾頭を備えた核ミサィルの配備が強行されてくるのは必至である。

 高速増殖炉『もんじゅ』がこれまでの軽水炉型などの原発とはまったく違う点は、巨大事故や日本海への冷却水垂れ流しによる世界的放射能汚染に加えて、アジア人民への無差別=大量虐殺の兵器としての原爆を準備するということにあるのである。

 かつてのアジア侵略で莫大な血債を負い、いまだに支払ってもいない私たちが、その上に核武装を進める日帝を打倒することもできずに、おめおめと血債を積み重ねることについて、労働者階級としての恥を知らねばならない。まさに労働者階級としての重大な問題なのである。

 わたしたちは北陸でアジア侵略のための小松基地と対決するなかから、日帝の核武装が究極的には小松基地の核武装=核弾頭ミサイルの配備攻撃としてとらえ、小松基地撤去・『もんじゅ』本格稼働阻止のために全力でたたかうことを決意している。

 さあ! 来春『もんじゅ』本格稼働阻止に総決起しょう!

   

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