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Channel: アジアと小松
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20190211 羽田弁天橋から50年

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羽田弁天橋から50年

 私がはじめて書いたビラである。何とも稚拙な文章だろう!
 私の幼いころから、わが家には『アカハタ』と『朝日新聞』があり、書棚には『マルクスエンゲルス2巻選集』などの左翼文献が並んでおり、治安維持法で拘引された叔父がおり、私が左傾化していく環境は充分に整っていた。そして、1967年7月恐怖の立川基地に立ち、10月羽田弁天橋の放水に濡れた。 

「10・8佐藤訪ベト阻止―9・30学内決起集会」
 法文1年5組のみなさん、一度ゆっくりと考えてみようではないか。話し合ってみようではないか。そのためにも、今日、1時から始まる佐藤首相訪ベトナム阻止学内決起集会に出たいものです。

 現在、佐藤首相は、台湾訪問を終えて東南アジアを訪問している。この事は何を意味しているだろうか。これはアメリカ政府の世界支配体制の後退(アメリカ本国内における階級的矛盾の産物である黒人暴動がそれを内部からつき崩さんとしており、一方ベトナム人民の死力をつくしてのベトナム侵略戦争にたいする抵抗がそれを外部から崩壊させんとしていることは明白である)を日本政府が、そのアメリカの危機(日本資本主義の危機でもある)をアジア人民の犠牲もって乗り切らんとして、乗り出した具体的積極的行動である。

 (2行判読不明)……的な帝国主義段階に突入しようとしている現時点において、日本独自の帝国主義的利益を追求せんとして、東南アジアへの本格的な進出を企てており、東南アジア訪問はその第1歩となっている。

 この日本帝国主義者の触手はあらゆる方向にむかって伸びてきている。たとへば、小選挙区制の強行、紀元節の復活、砂川基地拡張の断行である。

 砂川基地に関して言へば、政府はあらゆる卑劣な方策を用いて、砂川の農民に圧力をかけ、あるいはわざわざ飛行機を民家の付近に墜落させるような脅かしによって、着々と農地買収を遂行している。そして、砂川基地が拡張されることによって何が起きてくるか。明白である。現在の輸送能力は2~3倍になり、その事と、砂川基地の重要性から、現在ベトナムで殺されている人民の数が約2倍ぐらいになるということである。

 我々日本人が政府に砂川の拡張を許すとしたら、我々自身の心のなかにある反戦平和の意志は踏みにじられ、我々自身の敗北になる。すなわち、どう見ても正当な自分の意志が権力という怪物によって、ねじ伏せられるということは、やはり、自分の敗北でしかない。我々日本人は決して砂川基地拡張を政府に許してはならない。我々は我々の意志に反して、ベトナム人民を殺してはならない。我々は戦争反対に立ち上がらねばならない。

 戦争に反対するということは、このように具体的な改悪を決して許さないような、固く連帯した平和へのたたかいを日本において、世界において作り上げていくことではないだろうか。それは何よりも日本の帝国主義が、帝国主義的政策をもって登上してきている現在、その内部でそれを崩壊さすべきたたかいを遂行しなければならない。それこそが反戦平和の意志を貫く唯一の…(数文字不明)…。

 (2行判読不明)……小選挙区制、紀元節があるように、対外的には、今まさに、東南アジアを日本の支配下に置かんとする方策が佐藤首相の10・8訪ベトにかけられているのだ。

 今日おこなわれる佐藤訪ベト学内抗議集会に参加しようではないか。そして我々の内部に存る反戦平和の意志を具体化しなければならないのではないか。
(金沢大学法文学部1年5組有志)

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