20211115 志賀原発トラブル切り抜き帳
(●『北陸中日新聞』、★石川県HP「安全協定9条に基づく事故・トラブル」)
2018年6月に「志賀原発建屋の直下に活断層―直ぐに廃炉にせよ」を投稿してから、3年が過ぎた。裁判所は相変わらず、北陸電力に都合のいい「規制委員会の結論」が出るのを待ち続けている。
北陸電力は志賀原発1号機(1993年営業運転)、2号機(2006年営業運転)の廃炉作業に着手しないまま、年月が過ぎていく。その間、現状維持のための作業はつづいており、低レベル放射性廃棄物が排出し続け、2021年10月にも12回目の搬出がおこなわれている。
志賀原発敷地内には、低レベル放射性廃棄物が大量に残っており(2020年9月末現在7214本)、毎年1回、ドラム缶500本を搬送しても、14年もかかる。運転を停止していても、低レベル放射性廃棄物はたまり続けるので、速やかに廃炉に着手すべきである。
トラブルも続発し、『北陸中日新聞』(●印)と石川県HP(★)でチェックしたが、その一覧表は下記の通りで、初期よりも、最近の方がトラブルが多く、石川県のチェックが緩くなっている。能登半島で地震が頻発しており、活断層上の志賀原発への影響が懸念される。
また、規制委員会で議論が重ねられてきた志賀原発直下の活断層問題の変遷も検討しておかねばならないが、あらためて投稿する。
志賀原発トラブル切り抜き帳 (●『北陸中日新聞』、★石川県HP)
<1993年7月~1号機営業運転>
1994年08月★1号機冷却材再循環ポンプの停止
1996年05月★1号機冷却材再循環ポンプ軸封部機能低下
1998年01月★1号機復水器細管漏えい
1999年06月★1号機臨界事故→隠蔽→7年9カ月後の2007年3月発覚
1999年06月★1号機非常用ディーゼル発電設備クランク軸のヒビ
2002年04月★1号機原子炉冷却材再循環ポンプの軸振動値の変動
2004年06月★1号機復水器への海水混入
2006年01月★2号機原子炉の蒸気供給隔離弁の開閉不全
<2006年3月~2号機営業運転>
2006年07月★2号機タービン羽根15枚中2枚にヒビ、低圧タービン羽根840枚中258枚にヒビ
2006年11月★1号機発電機冷却ファンに記録用紙3枚吸入
2008年04月★2号機原子炉起動気体廃棄物処理系における水素濃度上昇
2008年05月●1号機で水漏れ
2008年09月●2号機低圧タービン作り直し
2009年01月●2号機非常用ディーゼル発電機のインジケーター弁から潤滑油漏えい
2009年09月●2号機原子炉格納容器、排水あふれる
2009年10月★志賀原発事務本館で火災
2009年11月★2号機非常用ディーゼル発電設備から潤滑油100cc漏れ
2009年12月★2号機で潤滑油20cc漏れ
2010年01月●志賀原発放射線測定設備に不具合
2010年04月●志賀原発の放射線監視装置不調
2010年07月●1号機で定期検査作業ミス
2010年08月●1号機で水漏れ(放射能漏れ)
2010年08月●★1号機で制御棒抜けかかる(11月まで発表せず)
2010年12月★1号機再循環ポンプ軸封部の圧力上昇→手動停止
2010年12月●2号機温度調節機器の不具合→手動停止
2011年01月●★2号機配管の検知器故障→2/5再起動
2011年01月★2号機冷却器凝縮水量の低下→手動停止
2011年02月●1号機水漏れ防止ポンプの不具合
2011年03月●★1号機軸封部に不具合→手動停止
2011年04月●志賀原発周辺のワカメ、ホンダワラにヨウ素検出
(新聞資料欠落)
2013年05月●★1号機低圧タービン羽根の取り付け部で123カ所196本のひび割れ
2014年04月●2号機で冷却水54㍑が漏れ→作業員にかかる
2016年03月●ケーブルの不適切敷設
2016年05月●警備員の被爆
2016年09月●6・6トンの雨水が2号機の原子力建屋に流入し漏電
2017年03月●1号機の放射線防護服の洗濯後の水を流す配管に腐食
2017年04月●2号機原子力建屋の圧力抑制室のプールにブリキ板落下
2017年02月●★原発構内で火災
2018年02月●志賀原発建屋内で蓄電池の一部破損→バッテリー液の稀硫酸7㍑漏れ
2018年02月●志賀原発所員3人保安教育受けず(保安規定違反)
2018年03月●三菱電線不合格品18個を志賀原発に納品
2018年05月●志賀原子炉の電線部品61台データ改ざんの疑い
2018年07月●日本ガイシの不適切検査製品を志賀原発で使用
2018年07月●原子炉の水圧や空気圧を制御する不適切部品使用
2018年07月●2009~2010年の警報記録中3日分が保存されず
2018年08月●原発モニタリングポスト7台中1台が浸水し停止
2018年09月●2号機原子力建屋内にある非常用の放射性物質除去装置のファンが停止
2018年11月●2号機排水処理装置内のフィルター破れ
2019年01月●1号機の原子力圧力容器につながる部品の疲労度を過小評価して記載
2019年04月●志賀原発に菱三工業製造の鉄製品で、不適切部品納入
2019年07月●★原発敷地内で高圧電源車から出火
2019年08月●1号機の配管が損傷し、海水漏洩
2020年03月●1号機の非常用発電機から油漏れ
2021年06月●1号機で温度調整装置に異常
2021年08月●2号機配管制御装置に異常
使用済み核燃料、放射性廃棄物の六ヶ所村への搬出
(『北陸中日新聞』、石川県HP「志賀原子力発電所経過」)
1996年07月 使用済み核燃料搬出(第1回)
1997年07月 使用済み核燃料搬出(第2回)
1998年07月 使用済み核燃料搬出(第3回)
2001年07月 使用済み核燃料搬出(第4回)
2008年09月 低レベル放射性廃棄物搬出(第1回)
2010年06月 低レベル放射性廃棄物搬出(第2回)
2010年10月 使用済み核燃料搬出(第5回)
2012年05月 低レベル放射性廃棄物搬出(第3回)
2013年06月 使用済み核燃料搬出(第6回)
2013年07月 低レベル放射性廃棄物搬出(第4回)
2014年09月 低レベル放射性廃棄物搬出(第5回)
2015年10月 低レベル放射性廃棄物搬出(第6回)
2016年06月 低レベル放射性廃棄物搬出(第7回)(ドラム缶480本)
2016年10月 低レベル放射性廃棄物搬出(第8回)(ドラム缶480本)
2018年10月 低レベル放射性廃棄物搬出(第9回)(ドラム缶480本)
2020年10月 低レベル放射性廃棄物搬出(第10回)(ドラム缶480本)
→9月末現在7214本のドラム缶が構内に残っている(朝日新聞)
2021年02月 低レベル放射性廃棄物搬出(第11回)(ドラム缶480本)
2021年10月 低レベル放射性廃棄物搬出(第12回)(ドラム缶496本)
(●『北陸中日新聞』、★石川県HP「安全協定9条に基づく事故・トラブル」)
2018年6月に「志賀原発建屋の直下に活断層―直ぐに廃炉にせよ」を投稿してから、3年が過ぎた。裁判所は相変わらず、北陸電力に都合のいい「規制委員会の結論」が出るのを待ち続けている。
北陸電力は志賀原発1号機(1993年営業運転)、2号機(2006年営業運転)の廃炉作業に着手しないまま、年月が過ぎていく。その間、現状維持のための作業はつづいており、低レベル放射性廃棄物が排出し続け、2021年10月にも12回目の搬出がおこなわれている。
志賀原発敷地内には、低レベル放射性廃棄物が大量に残っており(2020年9月末現在7214本)、毎年1回、ドラム缶500本を搬送しても、14年もかかる。運転を停止していても、低レベル放射性廃棄物はたまり続けるので、速やかに廃炉に着手すべきである。
トラブルも続発し、『北陸中日新聞』(●印)と石川県HP(★)でチェックしたが、その一覧表は下記の通りで、初期よりも、最近の方がトラブルが多く、石川県のチェックが緩くなっている。能登半島で地震が頻発しており、活断層上の志賀原発への影響が懸念される。
また、規制委員会で議論が重ねられてきた志賀原発直下の活断層問題の変遷も検討しておかねばならないが、あらためて投稿する。
志賀原発トラブル切り抜き帳 (●『北陸中日新聞』、★石川県HP)
<1993年7月~1号機営業運転>
1994年08月★1号機冷却材再循環ポンプの停止
1996年05月★1号機冷却材再循環ポンプ軸封部機能低下
1998年01月★1号機復水器細管漏えい
1999年06月★1号機臨界事故→隠蔽→7年9カ月後の2007年3月発覚
1999年06月★1号機非常用ディーゼル発電設備クランク軸のヒビ
2002年04月★1号機原子炉冷却材再循環ポンプの軸振動値の変動
2004年06月★1号機復水器への海水混入
2006年01月★2号機原子炉の蒸気供給隔離弁の開閉不全
<2006年3月~2号機営業運転>
2006年07月★2号機タービン羽根15枚中2枚にヒビ、低圧タービン羽根840枚中258枚にヒビ
2006年11月★1号機発電機冷却ファンに記録用紙3枚吸入
2008年04月★2号機原子炉起動気体廃棄物処理系における水素濃度上昇
2008年05月●1号機で水漏れ
2008年09月●2号機低圧タービン作り直し
2009年01月●2号機非常用ディーゼル発電機のインジケーター弁から潤滑油漏えい
2009年09月●2号機原子炉格納容器、排水あふれる
2009年10月★志賀原発事務本館で火災
2009年11月★2号機非常用ディーゼル発電設備から潤滑油100cc漏れ
2009年12月★2号機で潤滑油20cc漏れ
2010年01月●志賀原発放射線測定設備に不具合
2010年04月●志賀原発の放射線監視装置不調
2010年07月●1号機で定期検査作業ミス
2010年08月●1号機で水漏れ(放射能漏れ)
2010年08月●★1号機で制御棒抜けかかる(11月まで発表せず)
2010年12月★1号機再循環ポンプ軸封部の圧力上昇→手動停止
2010年12月●2号機温度調節機器の不具合→手動停止
2011年01月●★2号機配管の検知器故障→2/5再起動
2011年01月★2号機冷却器凝縮水量の低下→手動停止
2011年02月●1号機水漏れ防止ポンプの不具合
2011年03月●★1号機軸封部に不具合→手動停止
2011年04月●志賀原発周辺のワカメ、ホンダワラにヨウ素検出
(新聞資料欠落)
2013年05月●★1号機低圧タービン羽根の取り付け部で123カ所196本のひび割れ
2014年04月●2号機で冷却水54㍑が漏れ→作業員にかかる
2016年03月●ケーブルの不適切敷設
2016年05月●警備員の被爆
2016年09月●6・6トンの雨水が2号機の原子力建屋に流入し漏電
2017年03月●1号機の放射線防護服の洗濯後の水を流す配管に腐食
2017年04月●2号機原子力建屋の圧力抑制室のプールにブリキ板落下
2017年02月●★原発構内で火災
2018年02月●志賀原発建屋内で蓄電池の一部破損→バッテリー液の稀硫酸7㍑漏れ
2018年02月●志賀原発所員3人保安教育受けず(保安規定違反)
2018年03月●三菱電線不合格品18個を志賀原発に納品
2018年05月●志賀原子炉の電線部品61台データ改ざんの疑い
2018年07月●日本ガイシの不適切検査製品を志賀原発で使用
2018年07月●原子炉の水圧や空気圧を制御する不適切部品使用
2018年07月●2009~2010年の警報記録中3日分が保存されず
2018年08月●原発モニタリングポスト7台中1台が浸水し停止
2018年09月●2号機原子力建屋内にある非常用の放射性物質除去装置のファンが停止
2018年11月●2号機排水処理装置内のフィルター破れ
2019年01月●1号機の原子力圧力容器につながる部品の疲労度を過小評価して記載
2019年04月●志賀原発に菱三工業製造の鉄製品で、不適切部品納入
2019年07月●★原発敷地内で高圧電源車から出火
2019年08月●1号機の配管が損傷し、海水漏洩
2020年03月●1号機の非常用発電機から油漏れ
2021年06月●1号機で温度調整装置に異常
2021年08月●2号機配管制御装置に異常
使用済み核燃料、放射性廃棄物の六ヶ所村への搬出
(『北陸中日新聞』、石川県HP「志賀原子力発電所経過」)
1996年07月 使用済み核燃料搬出(第1回)
1997年07月 使用済み核燃料搬出(第2回)
1998年07月 使用済み核燃料搬出(第3回)
2001年07月 使用済み核燃料搬出(第4回)
2008年09月 低レベル放射性廃棄物搬出(第1回)
2010年06月 低レベル放射性廃棄物搬出(第2回)
2010年10月 使用済み核燃料搬出(第5回)
2012年05月 低レベル放射性廃棄物搬出(第3回)
2013年06月 使用済み核燃料搬出(第6回)
2013年07月 低レベル放射性廃棄物搬出(第4回)
2014年09月 低レベル放射性廃棄物搬出(第5回)
2015年10月 低レベル放射性廃棄物搬出(第6回)
2016年06月 低レベル放射性廃棄物搬出(第7回)(ドラム缶480本)
2016年10月 低レベル放射性廃棄物搬出(第8回)(ドラム缶480本)
2018年10月 低レベル放射性廃棄物搬出(第9回)(ドラム缶480本)
2020年10月 低レベル放射性廃棄物搬出(第10回)(ドラム缶480本)
→9月末現在7214本のドラム缶が構内に残っている(朝日新聞)
2021年02月 低レベル放射性廃棄物搬出(第11回)(ドラム缶480本)
2021年10月 低レベル放射性廃棄物搬出(第12回)(ドラム缶496本)