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20230306 諦めない! 志賀原発再稼働を阻止するまでは

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諦めない! 志賀原発再稼働を阻止するまでは

志賀原発敷地内・周辺断層
 志賀原発敷地内・周辺の断層について、2012年に渡辺満久(東洋大)さんは、「富来川南岸断層(敷地から9キロ)が活断層の可能性」を指摘し、2013年には立石雅昭(新潟大)さんも「富来川南岸断層が活断層だ」という調査結果を出している。2014年には、有識者調査団は福浦断層(敷地から1キロ)は活断層だと報告している。そして、2016年3月には、規制委員会は「敷地内のS-1断層は活断層と判断するのが合理的」という最終判断を下しているのである。
 さらに2017年、北陸電力は北側の富来川南岸断層、海側の兜岩沖断層、碁盤島沖断層がいずれも活断層であることを認めている。

調査法変え、評価一変
 にもかかわらず、その後7年間、北陸電力と政府の圧力を受け続け、ついに、3月3日、原子力規制委員会は、志賀原発の新規制基準適合性に係る審査会合を開催し、評価対象とした10本の敷地内断層について、いずれも活動性は認められないとの判断を下した。
 商業新聞からも、「調査法変え、評価一変」などと揶揄され、志賀原発周辺の断層が活断層で、敷地内の10本は活断層ではないという、まさにインチキな結論に導いているのだ。
 それは、資本(企業)のためのエネルギー供給をふんだんにおこなうという政治的目的のためであり、周辺(日本中の)住民の命をないがしろにしてでも、金儲けに走る資本(政治委員会=政府)の本性をむき出しにした攻撃である。

科学が死んだ日
 規制委員会は原発の運転期間を「原則40年、最長60年」を政治的都合で、反対派を押し切って、多数決でひっくり返して、60年超の運転を可能にした。学術会議も、政府の息のかかった第三者による人選へと転換しようとしている。くわえて、「活断層と判断するのが合理的」と言っていた規制委員会が、調査方法を変えて、「活断層ではない」と決定した。まさに日本の科学が死んだ日である。

諦めるな! 
 東電福島原発処理水の放出、60年超の運転許可、志賀原発の再稼働策動など、未来社会に向けて絶対に譲れない課題が山積している。だからこそ、私たちは諦めることは許されないのだ。


資料・志賀原発敷地内外断層問題

1987/01/26 北電―通商産業省に1号機原子炉設置許可申請提出―原発敷地内のズレを「浸食作用で生じた」もので「活断層ではない」と説明し、国も活断層ではないと認めていた。
1987/05~06 安全審査に伴う現地調査を実施―1号機直下の地層にズレがあることを確認した。2013年1月、黒田和男(通産省地質調査所)は「通産省が専門家会議に手配した敷地内の現地調査は半日程度で、岩盤を詳しく確認できなかった」と述べている(『北陸中日新聞』2013.1.19)
1988/12/00 1号機差し止め提訴→2000年敗訴確定。
1999/08/00 2号機差し止め提訴→2006年地裁勝訴→2010年敗訴確定。
1999/06/18 1号機臨界事故→隠蔽→7年9カ月後の2007年3月発覚。
2007/03/25 輪島市南西沖40キロで能登半島地震(志賀原発で震度6弱) 志賀原発2号機の原子炉建屋内で水銀灯2個が使用済み燃料貯蔵プールに落下。2号機タービン建屋床面のコンクリート、1号機の配管モルタルの一部がはがれた。
2011/03/11 東日本大震災―福島第1原発メルトダウン
2012/05/00 渡辺満久(東洋大)―富来川南岸断層が活断層の可能性を指摘。
2012/06/26 1・2号機廃炉訴訟提訴→金沢地裁で係争中。
2012/07/17 原子力安全・保安院専門家会議、S1断層=活断層の可能性指摘→北電に再調査指示(18日)
2012/09/19 原子力規制委員会が発足
2013/01/18 立石雅昭(新潟大)―富来川南岸断層は活断層だという調査結果を提出する。
2013/06/06 北電は「S1断層は活断層ではない」とする報告書を規制委員会に提出。
2013/09/末 立石雅昭(新潟大)―富来川南岸断層は活断層だという調査結果を提出した。
2013/12/19 北陸電力最終報告書を提出
2014/02/05 規制委員会―有識者調査団(5人)を決め、2月22日、23日に現地調査をおこなう。
2014/02/22 有識者調査団―1号機原子炉建屋直下のS1断層調査。
2014/03/23 有識者調査団―福浦断層は活断層。
2014/03/24 規制委員会―第1回会合。「活断層ではない」と判断できず→北電追加調査
2014/07/11 規制委員会―有識者による第2回評価会合。北電は敷地内の断層は活断層ではないと主張。有識者はデータ不足を指摘した。北電はS2とS6の連続性を認めた。
2014/08/26 規制委員会(第1回)―北電に準備不足を指摘。
2014/09/02 規制委員会―「安全対策の規定を満たしていない」と再検討を要求した。
2015/07/17 規制委員会―「敷地内にある2本の断層は活断層との疑いを否定できない」という評価書案を提示した。
2015/11/20 規制委員会―有識者が「評価書案」をピアレビュー(査読)→活断層の疑いは否定できない
2016/03/03 規制委員会―有識者による評価会(第8回)で、敷地内断層は活断層と最終判断。北電は「参考意見に過ぎない」。
2016/04/27 規制委員会―有識者調査団がまとめた評価書を受理した。
2016/06/10 規制委員会(2014年9月以来1年9カ月ぶり)―北電から敷地内断層の説明を受けた。北電はS2・S6、S4、S1を主要断層と定義。「2号機下の2本は動くことはない」「S1は震源にはならない」と主張。規制委員会は詳細なデータを要求。
2016/09/28 2号機の原子力建屋に6・6トンの雨水が流入し漏電。
2016/10/24 規制庁―北電に雨水対策を求める。
2017/02/08 規制委員会―雨水対策を指示(昨年9月雨水6・6トン流入、志賀原発の水侵入未対策=1号機58カ所、2号機37カ所、合計95カ所)
2017/03/10 規制委員会―北電は断層を3本(S2・S6+海岸部の2本)に絞ると主張したが、規制委員会は認めず、8本の確認を要求
2017/06/24 規制委員会―北電は8月をめどに追加調査方針→40カ所ほどのボーリング調査で選び直す。規制委員会は敷地周辺の地質調査を指示。
2017/11/22 規制委員会―北電は断層問題と適合審査の並行を主張。規制委員会は断層の議論には時間がかかると。
2018/03/02 規制委員会―北電は昨年の会合で選んだ3本に2本を加えて合計5本(S2・S6、K2、K3+S4、S1)を提示。
2018/07/06 規制委員会―北電は敷地内外の5本の断層のデータを提出し、活断層ではないと主張。委員からデータ不足、根拠不十分と指摘。
2018/09/21 規制委員会―北電が提出した資料が不備のため進まず、次回以降に持ち越した。規制委員会はこれまでの5本に2本追加する必要ありとの見解。(原発敷地内には断層が21本あり)。北電は陸地の3本を評価すれば他の陸地の断層の評価に代用できると主張。規制委員会は「論理的飛躍」「客観性を欠く」、データの誤記載や文献の引用がないと北電を批判。
2019/06/18 志賀原発廃炉株主訴訟提訴。
2019/01/18 規制委員会―北電は陸地+海岸部の8本の断層を提示。規制委員会は海岸部の2本の断層はデータ不備と指摘。
2019/06/14 規制委員会―北電は陸地内の断層6本について9月に説明する、ボーリング調査は8月に終了する。北電は①富来川南岸断層、②兜岩沖断層、③碁盤島沖断層、④福浦断層については、来年(2020年)1月に説明する。
2019/10/25 規制委員会―北電は敷地内断層6本は活動性なしと主張。
2020/03/14 規制委員会―北電は評価断層として海岸部の3本を提案。規制委員会は3本を了承しつつ他の断層の再検討を要求。次回は選定済みの9本を先行的に議論する。従来の岩場の11本に新たに取水路沿いの10本を加えることを確認。この内K2、K3、K14を評価対象に選定。規制委員会は他の断層の再検討を要求。
2020/07/10 規制委員会(12回目)―本格的な議論に入った。北電は断層6本の8カ所で観察実施→12~13万年前以降の活動は認められないと主張。規制委員会は北電に論理構成の見直し、調査の手法改善を要求した。
2020/10/02 規制委員会―断層の選定(10本)終了。
2021/01/15 規制委員会―志賀2号機の適合性審査。北電は敷地内10本(S1~8、K2、K3、K14、K18)の断層は活動性なしと説明。規制委員会は「証拠や方向性、手法は評価できる」→データのさらなる補充・整理を、現地調査必要。
2021/05/14 規制委員会(15回目)―原発半径5キロに分布する福浦断層など4本について「活動性が否定できない」と説明。(会合は2016年6月から15回目)
2021/10/14 規制委員会(16回目)―規制委員会は11月にも2号機敷地内断層(敷地内と半径5キロ程度の断層)の現地調査をおこなう。北電は敷地周辺の断層のうち4本を活断層と認めて、原発の耐震設計を終えている。今後は半径5キロ以遠の断層の審査、地震動と津波の影響についての議論へ。
2021/11/18~19 規制委員会―志賀原発敷地内断層・福浦断層の現地調査
2022/01/14 規制委員会(第17回)―3月に追加調査方針
2022/05/20 規制委員会(第18回)―秋にも2回目の現地調査方針
2022/06/19 珠洲地震(M=5.4 震度6弱)
2022/07/07 規制委員会・山中伸介次期委員長―志賀原発現地視察
2022/07/29 規制委員会(第19回)―北陸電力、福浦断層に関する調査結果報告
2022/10/13~14 規制委員会現地調査(2回目)
2022/11/11 規制委員会―断層Oの調査方針について、「論理構成が明確でない」
2022/11/14~15 石川県原子力安全専門委員会―断層現地調査
2023/03/03 規制委員会―敷地内に活断層なし

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