20241031 志賀原発訴訟第43回口頭弁論傍聴記
10月31日、金沢地裁で、第43回口頭弁論が開かれた。白鳥路兼六園口に集まり、みんなの顔には、久し振りの再会の笑みがこぼれている。しばらくたむろして、「志賀原発を廃炉に!」のボードをもって、列をなして裁判所にむかう。外国人観光客にすれ違う度に、「ノー! ニュークリアー(No! nuclear)」と呼びかけると、拳を握り、親指を立てて応えてくれる。
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法廷横の通路に4~50人が並び、入廷後、しばらくして裁判官が現れ、審理がはじまった。しばらくは書証のやり取りが続き、そのなかで、北陸電力は「能登半島地震後の調査を踏まえても、敷地内に活断層はない」と主張した。前回の口頭弁論(5月14日)で、原告住民側は、活断層について「ゼロベースで再検討すべき」と主張したことに対する回答だろうが、たった5カ月間でどんな再調査をしたというのか、「いい加減にせー」と言いたくなる。
原告Aさんの意見陳述がはじまった。Aさんは珠洲市大谷地区出身で、連れ合いは輪島市出身であり、元旦の地震と10月の水害で、実家は大きな被害を被った。
Aさんは珠洲原発を建てさせなかったことと志賀原発が運転停止中だったことによって、能登半島の住民は命拾いしたことを強調していた。とりわけ自然災害+原発事故の複合災害が起きた場合には、原発周辺住民は放射能禍のなかで逃げるに逃げられない状況に追い込まれたであろうことを強く訴えていた。
Aさんの涙を抑えながらの訴えに、北陸電力の代理人はどのような感情が渦巻いたのだろうか、それともしらけきっていたのだろうか。
最近の新聞に掲載された原発状況を年表にする(日付は新聞掲載月日)
04/16 柏崎刈羽原発―核燃料装填開始
04/18 もんじゅ―廃炉作業10月ごろ再開→10/12中性子遮蔽体取り出し再開
04/18 志賀原発1号機 制御棒関連の部品脱落
04/23 東通原発1号機―工事完了を延期
04/25 福島第1原発―停電で処理水放出停止
04/26 佐賀・玄海町議会―核ごみ最終処分場請願採択→経産省調査申し入れ→受諾
04/27 志賀原発2号機の発電機やタービンの羽根に変形
05/01 島根原発2号機―再稼働延期
05/14 浜岡原発審査―全面停止から13年(津波や活断層)
05/11 志賀原発核燃料プールの冷却ポンプ停止
05/14 志賀原発差止訴訟第42回口頭弁論(金沢地裁)
05/19 アメリカ―臨界核実験2年8ヶ月ぶり
05/22 高浜4号機―営業運転再開
05/28 玄海原発4号機の非常ポンプ動かず
05/30 高浜3、4号機―40年運転認可→7/10福井県容認
06/01 敦賀2号機―「活断層否定困難」→廃炉の可能性
06/01 志賀原発1、2号機変圧器破損、油漏れ
06/05 福島原発処理水―6回目放出完了。7/17処理水7回目放出完了
06/14 女川原発2号機の安全対策工事完了→9/4核燃料装填開始
06/18 世界の核弾頭数(露=5580、米=5044、中=500、仏=290、英=225、他)
06/27 大飯原発3、4号機―30年超運転認可
06/27 北陸電力株主総会―耐震性に疑問視相次ぐ
07/01 「さよなら!志賀原発 全国集会in金沢」
07/05 志賀原発2号機のタービンの羽根に新たな接触痕
07/25 志賀原発2号機―変圧器復旧に2年以上、代替設備来秋までに
07/27 敦賀原発2号機―「不適合」←真下に活断層
07/30 青森県―使用済み核燃料(中間貯蔵施設)受け入れ表明→8/10安全協定締結
08/03 敦賀原発2号機―不合格確実→8/29不合格決定
08/05 原発避難指針―見直し消極的
08/11 福島原発3号機―格納容器外側調査
08/14 福島第1原発→月内にもデブリ採取→8/23ミスで延期→9/11採取着手→9/18中断→10/29再開
08/18 使用済み核燃料再処理工場―完成目標延期→2026年度内
08/21 規制委員会―30キロ圏「屋内退避」維持
08/27 高浜原発1号機―原子炉起動
09/07 規制委員会―志賀原発敷地内断層、影響なし
09/10 長崎被爆体験者15人救済
09/17 石破―核共有論
09/25 柏崎刈羽原発―使用済み核燃料搬出→青森で中間貯蔵
09/27 福島原発処理水―9回目放出開始。
10/08 女川原発2号機―29日再稼働へ→逃げ場なし
10/11 美浜原発3号機―配管に穴→手動停止
10/12 経団連―原発の最大限利用
10/13 石破首相―核禁条約に慎重
10/17 規制委員会―原発周辺の放射線監視体制を強化
10/17 高浜原発1号機―「50年超え運転」認可
10/19 規制委員会―原発事故、屋内退避3日間
10/23 福島原発5号機―緊急対策支援システム一時停止
10/24 衆議院議員立候補者―原発再稼働OK(自民、維新、国民)、判断停止(立民)、廃炉(立民、共産)
10/25 高浜原発1号機認可申請書提出→50年超運転
10/31 もんじゅ敷地に活断層の可能性
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10月31日、金沢地裁で、第43回口頭弁論が開かれた。白鳥路兼六園口に集まり、みんなの顔には、久し振りの再会の笑みがこぼれている。しばらくたむろして、「志賀原発を廃炉に!」のボードをもって、列をなして裁判所にむかう。外国人観光客にすれ違う度に、「ノー! ニュークリアー(No! nuclear)」と呼びかけると、拳を握り、親指を立てて応えてくれる。


法廷横の通路に4~50人が並び、入廷後、しばらくして裁判官が現れ、審理がはじまった。しばらくは書証のやり取りが続き、そのなかで、北陸電力は「能登半島地震後の調査を踏まえても、敷地内に活断層はない」と主張した。前回の口頭弁論(5月14日)で、原告住民側は、活断層について「ゼロベースで再検討すべき」と主張したことに対する回答だろうが、たった5カ月間でどんな再調査をしたというのか、「いい加減にせー」と言いたくなる。
原告Aさんの意見陳述がはじまった。Aさんは珠洲市大谷地区出身で、連れ合いは輪島市出身であり、元旦の地震と10月の水害で、実家は大きな被害を被った。
Aさんは珠洲原発を建てさせなかったことと志賀原発が運転停止中だったことによって、能登半島の住民は命拾いしたことを強調していた。とりわけ自然災害+原発事故の複合災害が起きた場合には、原発周辺住民は放射能禍のなかで逃げるに逃げられない状況に追い込まれたであろうことを強く訴えていた。
Aさんの涙を抑えながらの訴えに、北陸電力の代理人はどのような感情が渦巻いたのだろうか、それともしらけきっていたのだろうか。
最近の新聞に掲載された原発状況を年表にする(日付は新聞掲載月日)
04/16 柏崎刈羽原発―核燃料装填開始
04/18 もんじゅ―廃炉作業10月ごろ再開→10/12中性子遮蔽体取り出し再開
04/18 志賀原発1号機 制御棒関連の部品脱落
04/23 東通原発1号機―工事完了を延期
04/25 福島第1原発―停電で処理水放出停止
04/26 佐賀・玄海町議会―核ごみ最終処分場請願採択→経産省調査申し入れ→受諾
04/27 志賀原発2号機の発電機やタービンの羽根に変形
05/01 島根原発2号機―再稼働延期
05/14 浜岡原発審査―全面停止から13年(津波や活断層)
05/11 志賀原発核燃料プールの冷却ポンプ停止
05/14 志賀原発差止訴訟第42回口頭弁論(金沢地裁)
05/19 アメリカ―臨界核実験2年8ヶ月ぶり
05/22 高浜4号機―営業運転再開
05/28 玄海原発4号機の非常ポンプ動かず
05/30 高浜3、4号機―40年運転認可→7/10福井県容認
06/01 敦賀2号機―「活断層否定困難」→廃炉の可能性
06/01 志賀原発1、2号機変圧器破損、油漏れ
06/05 福島原発処理水―6回目放出完了。7/17処理水7回目放出完了
06/14 女川原発2号機の安全対策工事完了→9/4核燃料装填開始
06/18 世界の核弾頭数(露=5580、米=5044、中=500、仏=290、英=225、他)
06/27 大飯原発3、4号機―30年超運転認可
06/27 北陸電力株主総会―耐震性に疑問視相次ぐ
07/01 「さよなら!志賀原発 全国集会in金沢」
07/05 志賀原発2号機のタービンの羽根に新たな接触痕
07/25 志賀原発2号機―変圧器復旧に2年以上、代替設備来秋までに
07/27 敦賀原発2号機―「不適合」←真下に活断層
07/30 青森県―使用済み核燃料(中間貯蔵施設)受け入れ表明→8/10安全協定締結
08/03 敦賀原発2号機―不合格確実→8/29不合格決定
08/05 原発避難指針―見直し消極的
08/11 福島原発3号機―格納容器外側調査
08/14 福島第1原発→月内にもデブリ採取→8/23ミスで延期→9/11採取着手→9/18中断→10/29再開
08/18 使用済み核燃料再処理工場―完成目標延期→2026年度内
08/21 規制委員会―30キロ圏「屋内退避」維持
08/27 高浜原発1号機―原子炉起動
09/07 規制委員会―志賀原発敷地内断層、影響なし
09/10 長崎被爆体験者15人救済
09/17 石破―核共有論
09/25 柏崎刈羽原発―使用済み核燃料搬出→青森で中間貯蔵
09/27 福島原発処理水―9回目放出開始。
10/08 女川原発2号機―29日再稼働へ→逃げ場なし
10/11 美浜原発3号機―配管に穴→手動停止
10/12 経団連―原発の最大限利用
10/13 石破首相―核禁条約に慎重
10/17 規制委員会―原発周辺の放射線監視体制を強化
10/17 高浜原発1号機―「50年超え運転」認可
10/19 規制委員会―原発事故、屋内退避3日間
10/23 福島原発5号機―緊急対策支援システム一時停止
10/24 衆議院議員立候補者―原発再稼働OK(自民、維新、国民)、判断停止(立民)、廃炉(立民、共産)
10/25 高浜原発1号機認可申請書提出→50年超運転
10/31 もんじゅ敷地に活断層の可能性

