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Channel: アジアと小松
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南京事件性暴力関係資料について

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南京事件性暴力関係資料について

 先月(7月)までは、吉見義明さんが監修された『東京裁判―性暴力関係資料』の原資料を読んでいたのですが、南京事件については、「他にいくつも資料が出されている」ということで、割愛されていました。

 吉見さんが割愛した南京事件性暴力関係の資料は『極東国際軍事裁判速記録』(第1~10巻1968年発行)の中にあります。そしてその膨大な原資料の中から洞富雄さんが南京事件関係の原資料を抜萃して『日中戦争南京大残虐事件資料集』として1985年に発行しました。

 図書館から取り寄せた両資料の山を眺めながら、腕組みをしていたのですが、ざっと見て、南京事件関係の口供書、陳述書、法廷証言は『日中戦争南京大残虐事件資料集』に収録されているので、とりあえずこっちを読むことにしました。

 細かい字ですが、読んでいくうちに、友人からいただいた『季刊戦争責任研究』58号(2007年冬号)の川田文子論文「東京裁判で証言された南京レイプ」にそこそこ引用されていることも確認できました。

 したがって、吉見さんが割愛した南京事件関係の資料については川田論文(8ページ)ををおすすめします。その上で、約400ページの『極東国際軍事裁判速記録』を読んでいるのですが、すでに川田さんによる引用と解説がありますので、屋上屋を重ねるという愚を犯さないで、南京性暴力事件を今日に再現するにはどうしたらよいかと思い悩んでいます。

 まじめに謝罪しない政府が、「何回謝罪しなければならないのか」といって、戦後70年談話を無内容化しようとしています。南京事件の真実を隠したがっている人々がいるかぎり、繰り返し、蒸し返し伝える努力を払わなければならないと思います。

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