『小松の空から…』<第9集1987.8>
小松基地と日本海上空の 日米共同演習反対
去る7月13日から17日にかけて、小松航空自衛隊基地をベースにして、第5回日米共同軍事演習が強行された。米軍からは第5空軍の第18戦術戦闘航空団(嘉手納)、第1海兵航空団(岩国)から150人の将兵とC141、C12、C21の各輸送機、F4、F15、FA18の各戦闘機、E3A空中早期警戒機などが参加し、自衛隊からは小松、百里、三沢の各基地から1300人の将兵とF15、F4などが参加した。
この日米共同演習はアジア(中東、朝鮮半島…)での新植民地主義支配が破綻し、アジア人民の民族解放闘争の激化にたいする、侵略戦争演習以外の何ものでもない。
(1)激動する朝鮮・中東情勢
今日、アジアは昨年のフィリピンの激動を引継ぎ、韓国、中東へとたたかいは拡大している。韓国では、6月大統領直接選挙をめぐって、人民の怒りを甘く見た全斗煥の反動的決断=改憲棚上げは逆に人民のたたかいに火をつけ、「独裁打倒」「改憲棚上げ撤回」の運動が爆発的に広がった。
警察力による鎮圧の限界に直面した全斗煥は盧泰愚に「大統領直接選挙制受け入れ」をペテン的に発表させ、野党を取り込み、当面の危機乗り切りを図ったものの、韓国人民をだましきることはできなかった。
8月に入るや、実力でもぎ取った「民主化」を武器に、ついに韓国労働者階級本体が決起した。現代自動車、現代重工業(造船)、泰光産業(繊維)、大韓造船公社、国際商社(運動靴)、大宇自動車など全産業でたたかいが巻き起こっている。
他方中東では、帝国主義の中東支配の「憲兵」であったパーレビ体制を打倒したイラン革命にたいして、米・英・仏帝国主義はイラクをけしかけ、イラン侵略戦争に撃って出たものの、もはやイラクの敗勢が見えるに至って、米・英・仏帝国主義は中東支配=石油支配をかけて、なりふり構わず直接侵略に踏み切ったのである。
まさに、帝国主義によるアジア(朝鮮、中東…)支配はぐらぐらになっており、これら新植民地諸国の失陥はベトナム失陥どころではなく、帝国主義世界支配体制そのものの危機に直結するがゆえに、絶対に退がることのできない瀬戸際に立たされているのである。
日米共同演習は、このような情勢のもとで、米・日帝国主義のアジア支配の貫徹をかけて、軍事侵略として、実戦を想定した、徹頭徹尾侵略的な軍事演習である。
(2)朝鮮侵略のためのチームスピリット=米韓合同演習
7月、小松基地をベースとした日米共同演習に先だって、2月19日から5月初旬にかけて、80日間にわたる米韓合同演習「チームスピリット87」が20万の将兵を動員して、韓国から日本全域でおこなわれた。
今回の演習は昨秋米第5空軍から独立した、在韓米第7空軍の最初の連合合同演習であった(朝鮮危機に対応して、在韓米軍は独立・強化されている)。
具体的に演習内容を見ると、3月31日の浦項近くでの上陸作戦に900人の韓国予備役海兵隊員が参加した。米海兵隊のAV8BハリアーⅡ垂直離着陸機とFA18ホーネット攻撃機が参加し、両機は高速道路上の緊急離着陸訓練にも参加した(朝鮮侵略のための上陸・全土制圧演習ではないか!)。
また太平洋地域では、はじめての化学兵器訓練をおこなった(米軍は国際法上禁止されている化学兵器を使ってでも、朝鮮侵略をやろうとしており、断じて許すことはできない!)。
さらに、米海軍の4隻の海上事前集積船がはじめて参加し、兵站、補給訓練をおこなった。
(3)第19回米韓安保協議会
このように朝鮮侵略のための「チームスピリット87」展開されている真っただ中で、5月6~7日に、第19回米韓安保協議会(SCM)が持たれ、1990年代に向けての新たな侵略体制としての米韓安保体制が重点的に協議された。
この協議会で、13項目の共同声明が発表されたが、まず虚偽のイデオロギー「北朝鮮の脅威」「ソ連のアジア太平洋地域にたいする軍事力強化」を共通認識とし、「反ソ・反共主義」を振りまいて、朝鮮侵略の「合法性」「人民の支持」を得ようとしているのである。
その上で、燃え上がる韓国人民の全斗煥打倒がそれほど遠い将来の問題ではなく、まさに「来年のソウルオリンピックまで持たないのではないか」という共通認識から、「オリンピックまでの期間、とくに警戒の強化」「オリンピックの間、米第7艦隊の韓国近海への展開」を合意した。
▽戦時駐留国支援
そして「危機発生(人民の決起)の際、韓国にたいする米戦闘力の速やかな増強に寄与するための協議を定めた『戦時駐留国支援』に関する了解書」と、「戦争予備備蓄弾薬を近代化するための協定」に署名したのである。
米軍と全斗煥は今日の朝鮮情勢を戦時そのものとして位置づけ、対応しており、「チームスピリット87」はその予行演習以外の何ものでもない。
(4)チームスピリットと連動する横田・嘉手納・小松
では、日本は緊迫する朝鮮情勢に無関係に存在しているのであろうか? 否、チームスピリット87の80日間に、在日米軍横田基地では、延べ4000機を超す軍用機が飛来し、同基地が指揮、出撃、輸送の拠点となっていたという事実がある。具体的に述べていこう。
▽核戦争司令基地
演習期間中、全面核戦争の際に米大統領が乗り込んで、指揮をするE4Bが3月3日に横田基地に飛来し、5日には沖縄の嘉手納基地に移動している。これは直接的には横田基地周辺にある核戦争の際の通信網「ミスティック・スター」の運用点検・訓練が目的であろうといわれている。
また、演習が本格化した3月23日から4月10日頃までの間に、戦闘機部隊などに指令を出す「空飛ぶ司令部」EC130空中指揮機が16日間にわたって常駐、連日最前線へ飛び立っていった。同様の機能をもつE3A早期警戒機(小松基地での共同演習にも毎回参加)も、3月下旬、4月半ばに飛来し、横田基地は空中司令機の「母船」的役割を果たしていたのである。
▽上陸出撃基地
つぎに、3月27日、米韓軍の韓国上陸演習が始まったちょうどその日に、上陸作戦の主役であるA10サンダーボルト4機とF4ファントム3機が、韓国水原、大邱基地から横田に飛来し、翌28日午前前線へ飛び立った。藤井治男氏(軍事評論家)によれば、「在韓米軍のA10は合計24機あり、その一部を日本で温存し、直接在日基地から出撃させる訓練内容であり、すなわち横田基地の出撃拠点化を示す」と指摘している。
以上のとおり、米帝はアジア侵略のために米日韓の戦力を統一し、効果的に運用するために、在日米軍基地(横田、嘉手納)を司令・出撃基地として位置づけ、チームスピリット87において現実的に運用したのである(この演習期間に、自衛隊の)C130、F4、F15が頻繁に横田基地に飛来していることも、その証といえよう)。
(5)強化される日米同盟下の小松基地
最後に、日米軍事体制のもとで、小松基地は如何なる位置・役割を持っているのだろうか。まづ、ごく最近の日米共同演習を挙げておこう。
2・19~5上旬 チームスピリット87
5・11~15 三沢基地(青森)をベースとした日米共同演習
7・13~17 小松基地をベースとした日米共同演習
7・13~17 日米統合軍図上演習(防衛庁・中央指揮所、横田米軍指令部)
8・7~12 沖縄での日米共同演習(空自と米海兵隊)
このように、朝鮮半島に狙いを定めた日米(韓)共同演習が恒常的に行なわれている。朝鮮半島を直接戦場とする米韓演習、これを包囲するようにして攻める三沢、小松、沖縄での共同演習、このすべての演習を統一して指揮する日米統合軍図上演習が行なわれたと思われる。二月から八月の時間的ずれを修正して、これら五件の共同演習を同時に発動すれば、まさに北海道から沖縄の日米軍の一切合財を動員した「大朝鮮侵略戦争」が出現するのである。
▽侵略最前線基地
次ぎに小松基地の現状を見ると以下のとおりである。
76・10 F4ファントム配備 開始
82・11 第1回日米共同演習
86・11 F15イーグル配備開始
87・3 第9移動警戒隊(動くレーダー基地)編成
87・6 アラート格納庫とパイロット待機所をシェルター・耐弾型に全面改造着工
88・3 基地防空隊(短SAM、携SAM、対空機関砲)編成、
85年第3回日米共同演習では、①E3Aから目標情報を受けながらの異機種戦闘機戦闘訓練、②仮想敵機にアラートをかけながら接近し、③攻撃する要撃戦闘、④味方機を援護する援護訓練、⑤対レーダーサイト電子妨害訓練、⑥対艦攻撃訓練、となっている(発表されたもの)。
まづ第1に、小松基地に配備されているF4・F15は共に朝鮮半島から中朝国境、極東ソ連軍を直接攻撃して帰還できる能力を持っている。小松基地は日本海のど真ん中に位置し、日本海上空に「進入する敵機」に対して日常的にアラート(繋急発進)をかけている。年間150~200回に及んでいる。
また過去5回の日米共同演習の演習内容を見れば、小松基地の役割は、「専守防衛」をはるかに逸脱して「前方防衛」の侵略最前線基地に大転換したと言える。
第2に、最近著しく小松基地の防空能力が強化されていることに注目すべきである。防空体制(移動警戒隊、基地防空隊、アラート格納庫のシェルター化)を必要とするほどに、「敵」に睨まれていること、すなはち「敵」に現実的な脅威を与えているということである。
小松基地は、まさにやりあいの中で、なお十分に出撃しうる前線型の基地に変ったのである。
―以下省略―
小松基地と日本海上空の 日米共同演習反対
去る7月13日から17日にかけて、小松航空自衛隊基地をベースにして、第5回日米共同軍事演習が強行された。米軍からは第5空軍の第18戦術戦闘航空団(嘉手納)、第1海兵航空団(岩国)から150人の将兵とC141、C12、C21の各輸送機、F4、F15、FA18の各戦闘機、E3A空中早期警戒機などが参加し、自衛隊からは小松、百里、三沢の各基地から1300人の将兵とF15、F4などが参加した。
この日米共同演習はアジア(中東、朝鮮半島…)での新植民地主義支配が破綻し、アジア人民の民族解放闘争の激化にたいする、侵略戦争演習以外の何ものでもない。
(1)激動する朝鮮・中東情勢
今日、アジアは昨年のフィリピンの激動を引継ぎ、韓国、中東へとたたかいは拡大している。韓国では、6月大統領直接選挙をめぐって、人民の怒りを甘く見た全斗煥の反動的決断=改憲棚上げは逆に人民のたたかいに火をつけ、「独裁打倒」「改憲棚上げ撤回」の運動が爆発的に広がった。
警察力による鎮圧の限界に直面した全斗煥は盧泰愚に「大統領直接選挙制受け入れ」をペテン的に発表させ、野党を取り込み、当面の危機乗り切りを図ったものの、韓国人民をだましきることはできなかった。
8月に入るや、実力でもぎ取った「民主化」を武器に、ついに韓国労働者階級本体が決起した。現代自動車、現代重工業(造船)、泰光産業(繊維)、大韓造船公社、国際商社(運動靴)、大宇自動車など全産業でたたかいが巻き起こっている。
他方中東では、帝国主義の中東支配の「憲兵」であったパーレビ体制を打倒したイラン革命にたいして、米・英・仏帝国主義はイラクをけしかけ、イラン侵略戦争に撃って出たものの、もはやイラクの敗勢が見えるに至って、米・英・仏帝国主義は中東支配=石油支配をかけて、なりふり構わず直接侵略に踏み切ったのである。
まさに、帝国主義によるアジア(朝鮮、中東…)支配はぐらぐらになっており、これら新植民地諸国の失陥はベトナム失陥どころではなく、帝国主義世界支配体制そのものの危機に直結するがゆえに、絶対に退がることのできない瀬戸際に立たされているのである。
日米共同演習は、このような情勢のもとで、米・日帝国主義のアジア支配の貫徹をかけて、軍事侵略として、実戦を想定した、徹頭徹尾侵略的な軍事演習である。
(2)朝鮮侵略のためのチームスピリット=米韓合同演習
7月、小松基地をベースとした日米共同演習に先だって、2月19日から5月初旬にかけて、80日間にわたる米韓合同演習「チームスピリット87」が20万の将兵を動員して、韓国から日本全域でおこなわれた。
今回の演習は昨秋米第5空軍から独立した、在韓米第7空軍の最初の連合合同演習であった(朝鮮危機に対応して、在韓米軍は独立・強化されている)。
具体的に演習内容を見ると、3月31日の浦項近くでの上陸作戦に900人の韓国予備役海兵隊員が参加した。米海兵隊のAV8BハリアーⅡ垂直離着陸機とFA18ホーネット攻撃機が参加し、両機は高速道路上の緊急離着陸訓練にも参加した(朝鮮侵略のための上陸・全土制圧演習ではないか!)。
また太平洋地域では、はじめての化学兵器訓練をおこなった(米軍は国際法上禁止されている化学兵器を使ってでも、朝鮮侵略をやろうとしており、断じて許すことはできない!)。
さらに、米海軍の4隻の海上事前集積船がはじめて参加し、兵站、補給訓練をおこなった。
(3)第19回米韓安保協議会
このように朝鮮侵略のための「チームスピリット87」展開されている真っただ中で、5月6~7日に、第19回米韓安保協議会(SCM)が持たれ、1990年代に向けての新たな侵略体制としての米韓安保体制が重点的に協議された。
この協議会で、13項目の共同声明が発表されたが、まず虚偽のイデオロギー「北朝鮮の脅威」「ソ連のアジア太平洋地域にたいする軍事力強化」を共通認識とし、「反ソ・反共主義」を振りまいて、朝鮮侵略の「合法性」「人民の支持」を得ようとしているのである。
その上で、燃え上がる韓国人民の全斗煥打倒がそれほど遠い将来の問題ではなく、まさに「来年のソウルオリンピックまで持たないのではないか」という共通認識から、「オリンピックまでの期間、とくに警戒の強化」「オリンピックの間、米第7艦隊の韓国近海への展開」を合意した。
▽戦時駐留国支援
そして「危機発生(人民の決起)の際、韓国にたいする米戦闘力の速やかな増強に寄与するための協議を定めた『戦時駐留国支援』に関する了解書」と、「戦争予備備蓄弾薬を近代化するための協定」に署名したのである。
米軍と全斗煥は今日の朝鮮情勢を戦時そのものとして位置づけ、対応しており、「チームスピリット87」はその予行演習以外の何ものでもない。
(4)チームスピリットと連動する横田・嘉手納・小松
では、日本は緊迫する朝鮮情勢に無関係に存在しているのであろうか? 否、チームスピリット87の80日間に、在日米軍横田基地では、延べ4000機を超す軍用機が飛来し、同基地が指揮、出撃、輸送の拠点となっていたという事実がある。具体的に述べていこう。
▽核戦争司令基地
演習期間中、全面核戦争の際に米大統領が乗り込んで、指揮をするE4Bが3月3日に横田基地に飛来し、5日には沖縄の嘉手納基地に移動している。これは直接的には横田基地周辺にある核戦争の際の通信網「ミスティック・スター」の運用点検・訓練が目的であろうといわれている。
また、演習が本格化した3月23日から4月10日頃までの間に、戦闘機部隊などに指令を出す「空飛ぶ司令部」EC130空中指揮機が16日間にわたって常駐、連日最前線へ飛び立っていった。同様の機能をもつE3A早期警戒機(小松基地での共同演習にも毎回参加)も、3月下旬、4月半ばに飛来し、横田基地は空中司令機の「母船」的役割を果たしていたのである。
▽上陸出撃基地
つぎに、3月27日、米韓軍の韓国上陸演習が始まったちょうどその日に、上陸作戦の主役であるA10サンダーボルト4機とF4ファントム3機が、韓国水原、大邱基地から横田に飛来し、翌28日午前前線へ飛び立った。藤井治男氏(軍事評論家)によれば、「在韓米軍のA10は合計24機あり、その一部を日本で温存し、直接在日基地から出撃させる訓練内容であり、すなわち横田基地の出撃拠点化を示す」と指摘している。
以上のとおり、米帝はアジア侵略のために米日韓の戦力を統一し、効果的に運用するために、在日米軍基地(横田、嘉手納)を司令・出撃基地として位置づけ、チームスピリット87において現実的に運用したのである(この演習期間に、自衛隊の)C130、F4、F15が頻繁に横田基地に飛来していることも、その証といえよう)。
(5)強化される日米同盟下の小松基地
最後に、日米軍事体制のもとで、小松基地は如何なる位置・役割を持っているのだろうか。まづ、ごく最近の日米共同演習を挙げておこう。
2・19~5上旬 チームスピリット87
5・11~15 三沢基地(青森)をベースとした日米共同演習
7・13~17 小松基地をベースとした日米共同演習
7・13~17 日米統合軍図上演習(防衛庁・中央指揮所、横田米軍指令部)
8・7~12 沖縄での日米共同演習(空自と米海兵隊)
このように、朝鮮半島に狙いを定めた日米(韓)共同演習が恒常的に行なわれている。朝鮮半島を直接戦場とする米韓演習、これを包囲するようにして攻める三沢、小松、沖縄での共同演習、このすべての演習を統一して指揮する日米統合軍図上演習が行なわれたと思われる。二月から八月の時間的ずれを修正して、これら五件の共同演習を同時に発動すれば、まさに北海道から沖縄の日米軍の一切合財を動員した「大朝鮮侵略戦争」が出現するのである。
▽侵略最前線基地
次ぎに小松基地の現状を見ると以下のとおりである。
76・10 F4ファントム配備 開始
82・11 第1回日米共同演習
86・11 F15イーグル配備開始
87・3 第9移動警戒隊(動くレーダー基地)編成
87・6 アラート格納庫とパイロット待機所をシェルター・耐弾型に全面改造着工
88・3 基地防空隊(短SAM、携SAM、対空機関砲)編成、
85年第3回日米共同演習では、①E3Aから目標情報を受けながらの異機種戦闘機戦闘訓練、②仮想敵機にアラートをかけながら接近し、③攻撃する要撃戦闘、④味方機を援護する援護訓練、⑤対レーダーサイト電子妨害訓練、⑥対艦攻撃訓練、となっている(発表されたもの)。
まづ第1に、小松基地に配備されているF4・F15は共に朝鮮半島から中朝国境、極東ソ連軍を直接攻撃して帰還できる能力を持っている。小松基地は日本海のど真ん中に位置し、日本海上空に「進入する敵機」に対して日常的にアラート(繋急発進)をかけている。年間150~200回に及んでいる。
また過去5回の日米共同演習の演習内容を見れば、小松基地の役割は、「専守防衛」をはるかに逸脱して「前方防衛」の侵略最前線基地に大転換したと言える。
第2に、最近著しく小松基地の防空能力が強化されていることに注目すべきである。防空体制(移動警戒隊、基地防空隊、アラート格納庫のシェルター化)を必要とするほどに、「敵」に睨まれていること、すなはち「敵」に現実的な脅威を与えているということである。
小松基地は、まさにやりあいの中で、なお十分に出撃しうる前線型の基地に変ったのである。
―以下省略―