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『小松の空から‥』第8集1986.6

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『小松の空から‥』<第8集1986.6>
能登航空自衛隊基地建設反対

(1)はじめに
 最近「小松基地の能登移転」の問題が商業新聞などで度々報道されている。かつて森喜朗らが「小松国際空港」化のキャンペーンを張って、小松基地の滑走路増設を狙ったが、その目論見は破産した。

 今回の移転キャンペーンも同様のものであり、本質的には朝鮮半島と日本海の制空権確保のための基地強化であり、これを覆い隠すために「能登の過疎対策・産業振興」が謳われているにすぎない。能登半島に侵略基地を新設するという激変的事態に北陸三県下のすべての人々の猛烈な決起を訴える。

(2)能登誘致策道の事実経過
 1970年代後半…自民党勝木県議会議員が小松基地の能登移転を提唱。
 1984年12月…能登選出の自民党県議会議員が「基地誘致対策会議」を持つ。「能登原発の着工のめどが立たず」「能登線廃止」の状況下で、「地域振興の即効薬」として基地誘致を打ち出す。理由①能登半島には未開発の広大な土地がある、②隊員・家族・出入り業者ら1万人の人口増、③基地周辺整備法で周辺自治体に福祉、文化施設に建設助成費が出る、④基地交付金が出る。
 1985年7月…能登総合開発促進協議会で、「小松基地の奥能登移転誘致に向けて、200万円の調査費」を決定。
 1985年11月…空港建設計画についての候補地選定を中心にした「基礎調査報告書」を発表。3000m滑走路建設可能候補地―珠洲市5カ所、輪島市1カ所。1200m滑走路建設可能候補地―珠洲市2カ所。
 1985年12月…能都町議会「航空自衛隊基地の誘致に関する決議」。
 1986年3月…珠洲市議会「航空自衛隊基地の誘致に関する決議」

(3)朝鮮侵略のための小松基地強化・能登基地建設
 「小松基地の能登移転」問題は中曽根の軍事大国化の現実的還として打ち出されている。日帝は経済的行き詰まりを軍事的に解決しなければならない日に向かって動き出している。

 フィリピンでのマルコスの崩壊―アキノ政権成立はさらなるフィリピン人民の決起を促している。韓国では光州、仁川、ソウル大の決起はうなりを発し、臨界点に達しつつある。日帝中曽根は朝鮮侵略のために、日本海側最大の小松基地をさらに強化しようとしている。

 第1に、日帝は現存する小松基地の強化をあくまでも追求してきた。かつてソウル便新設時に国際空港化キャンペーンによって滑走路増設を実現しようとしたが、用地問題で行き詰まった。その後、小松基地北側の県有地を買収しながら、あくまでも増設のチャンスを狙っている。

 第2に、能登半島に4000m級の滑走路を持った本格的な戦略攻撃基地の建設に踏み切ろうとしていることである。横田、嘉手納、成田、新関西に次ぐ5番目の戦略爆撃機B52が発着可能な基地を作り、朝鮮危機に対応しようとしているのだ。

 能登半島から住民をたたき出して、原発と基地のための要塞にしようとしているのだ。自民党のいう「過疎対策」など真っ赤なウソだ。住民が基地誘致運動に利用され、それが出来上がった途端に追い出されるのである。

(4)過疎対策なんて、真っ赤なウソだ
 「小松基地の能登移転」問題は能登半島の過疎を解決すると称して提起された。それは過疎地域の日帝のための動員・利用を目的として打ち出された「半島振興法」―能登半島の第1次地域指定と完全に連動している。

 過疎は戦後高度成長の過程で、全国的に進行した。この時期は日本資本主義の発生―発展のなかで、最も急激に産業構造が変化し、日本経済は重化学工業中心にドラスチックな転換を成し遂げた。太平洋ベルト地帯=都市に労働力を吸収し、他方農山漁村では過疎が決定的に進行した。

 農村の過疎問題と公害が渦巻く都市の過密問題は日本資本主義の体制的矛盾であり、資本主義によっては解決し得ないのである。

 七尾港を埋め立てて工業団地を造成したが、資本は見向きもせず、能登中核工業団地も同様である。

 能登半島住民のための有効な政策をなにひとつ打てないまま、過疎の真っただ中に放置され、農村の荒廃と家族の離散を激化させたままである。自民党は己の生み出した能登半島の過疎問題を逆手にとって「過疎対策」と称して、危険この上ない原発、火力発電所を誘致し、ついには朝鮮侵略のための航空自衛隊基地まで誘致しようというのである。とんでもない奴らではないか。

 火電、原発、基地を能登半島に集中し、能登の自然を破壊し、環境を汚染し、ますます人間の住めない状態にしようとしている。基地誘致は過疎対策どころか、過疎を加速させる役割しか果たさないであろう。

(5)侵略機を朝鮮に飛ばすな!
 去る4月7日から11日まで、小松基地をベースにした日米共同演習が強行された。朝鮮侵略戦争の最前線基地として、たたかう朝鮮人民に向けられたものであり、血債にかけてこれとたたかわなければならない。「侵略機を朝鮮に飛ばすな!」をかかげ、「小松基地撤去!」「小松基地滑走路増設粉砕!」「能登航空自衛隊基地新設阻止!」「日米共同演習粉砕」に、北陸の住民は曹決起しよう。

  


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