中国・北朝鮮敵視政策を止め、友好と協力を
2022年度防衛費は過去最大の5・4兆円に達しようとしている。加えて、軍事基地の聖域化を狙って「土地規制法」を成立させた。小松基地などへのF35配備計画は朝鮮半島への侵略・攻撃計画に基づいている。地上イージス計画は住民の反対で頓挫し、新イージス建造も破産したが、日本はミサイル迎撃を口実に敵基地攻撃体制構築を狙っている。中国・北朝鮮を対象にした日・米・英・仏の軍事演習を立て続けにおこなってきた。
しかし、最近のマスコミは、日本の侵略軍隊化を棚に上げて、中国・北朝鮮排外主義を宣伝する媒体と化している。「北朝鮮や中国の漁船が大和堆で操業している」とか、「警備艇がミサイルを装備していた」とか、「弾道ミサイルがEEZ内に落下した」とか。
今、世界中がコロナ禍で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は国際的な援助も絶たれ、孤立し、民衆の生活が危機に瀕していると漏れ伝わってきている。かつての植民地支配の責任(日本政府は北朝鮮には真摯な謝罪も賠償もしていない)を果たすためにも、いまこそ北朝鮮敵視政策を転じて、支援(ワクチンなど)をおこなうときではないか。
かつて、1990年代半ばごろ、北朝鮮が不作と洪水で食糧危機に陥り、国際社会は食糧援助をおこなった。政府に下駄を預けず、市民サイドからも「北朝鮮への食糧支援を」の声が上がり、私たちは1997年6月、「食糧を緊急支援する石川県民の会」を立ち上げ、全国に発信した。
各方面から「北朝鮮に米を送っても、軍人が食べるだけで民衆には届かない」などと悪意ある宣伝が投げつけられたが、ある僧侶からは「軍人だけでは食べきれず、すべての朝鮮民衆に行き渡るほどの量を送ればいい」と反論し、ある農民からは「いま、私たちが食べているおいしいコシヒカリを送ってあげよう」など、心温まる声が上がった。
カンパとお米は石川県内だけではなく、全国から寄せられ(滋賀、鳥取、埼玉、山梨、愛知、新潟、岐阜、大分、山形、千葉、東京、神奈川、秋田)、コシヒカリを購入し、7月と9月の2回、大型トラックで新潟港まで運び、連絡船で北朝鮮に送り届けた。
当時の呼びかけ文を転載する。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の民衆に、食糧を支援するために
皆さまへのお願い
この間、北朝鮮の食糧不足が緊迫していると報道されています。北朝鮮政府自身も「昨年(96年)だけで、134人の児童が栄養失調で死亡した」と明らかにしています。
北朝鮮では、食糧(穀物)の配給は大人1人あたり、1日600グラムと決められていますが、1995年の大水害などで、昨秋からは大人250グラム、子ども150グラムになり、最近ではそれさえ保障されていないといわれています。
このように重大な北朝鮮の食糧不足にたいして、世界食糧計画(WFP)は、2月に総額4160万ドルの援助を各国に要請しました。国連人道問題局(DHA)も、4月4日、1億2600万ドルの援助を各国に要請しました。WFPの要請を受けて、米国は1000万ドル、韓国は600万ドルの援助を決定しました。
これに基づいて、6月12日、第1次分として1200トンの支援物資が韓国から北朝鮮に引き渡されました。日本政府も、95年には50万ドル、96年には600万ドルの援助を実施しましたが、今年に入ってからは、こうした人道的援助を拒否しています。
北朝鮮では6月上旬に、全国で田植えが終わり、今秋の収獲が期待されます。しかし、北朝鮮の民衆にとって、収獲までの食糧不足が極めて深刻であり、日本の民として、意見の相違を越えた人道上の立場から、緊急に援助の手を延べなければならないと考えます。
政府が食糧などの支援を決定するまでのあいだ、私たちの出来ることとして、日本の民から北朝鮮の民にお米を送りたいと考えました。
労働者・市民・農民の皆さん! ぜひともお米をお寄せください。重ねてお願い致します。
1997年6月22日
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の民衆に、食糧を緊急支援する石川県民の会
![]()
2022年度防衛費は過去最大の5・4兆円に達しようとしている。加えて、軍事基地の聖域化を狙って「土地規制法」を成立させた。小松基地などへのF35配備計画は朝鮮半島への侵略・攻撃計画に基づいている。地上イージス計画は住民の反対で頓挫し、新イージス建造も破産したが、日本はミサイル迎撃を口実に敵基地攻撃体制構築を狙っている。中国・北朝鮮を対象にした日・米・英・仏の軍事演習を立て続けにおこなってきた。
しかし、最近のマスコミは、日本の侵略軍隊化を棚に上げて、中国・北朝鮮排外主義を宣伝する媒体と化している。「北朝鮮や中国の漁船が大和堆で操業している」とか、「警備艇がミサイルを装備していた」とか、「弾道ミサイルがEEZ内に落下した」とか。
今、世界中がコロナ禍で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は国際的な援助も絶たれ、孤立し、民衆の生活が危機に瀕していると漏れ伝わってきている。かつての植民地支配の責任(日本政府は北朝鮮には真摯な謝罪も賠償もしていない)を果たすためにも、いまこそ北朝鮮敵視政策を転じて、支援(ワクチンなど)をおこなうときではないか。
かつて、1990年代半ばごろ、北朝鮮が不作と洪水で食糧危機に陥り、国際社会は食糧援助をおこなった。政府に下駄を預けず、市民サイドからも「北朝鮮への食糧支援を」の声が上がり、私たちは1997年6月、「食糧を緊急支援する石川県民の会」を立ち上げ、全国に発信した。
各方面から「北朝鮮に米を送っても、軍人が食べるだけで民衆には届かない」などと悪意ある宣伝が投げつけられたが、ある僧侶からは「軍人だけでは食べきれず、すべての朝鮮民衆に行き渡るほどの量を送ればいい」と反論し、ある農民からは「いま、私たちが食べているおいしいコシヒカリを送ってあげよう」など、心温まる声が上がった。
カンパとお米は石川県内だけではなく、全国から寄せられ(滋賀、鳥取、埼玉、山梨、愛知、新潟、岐阜、大分、山形、千葉、東京、神奈川、秋田)、コシヒカリを購入し、7月と9月の2回、大型トラックで新潟港まで運び、連絡船で北朝鮮に送り届けた。
当時の呼びかけ文を転載する。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の民衆に、食糧を支援するために
皆さまへのお願い
この間、北朝鮮の食糧不足が緊迫していると報道されています。北朝鮮政府自身も「昨年(96年)だけで、134人の児童が栄養失調で死亡した」と明らかにしています。
北朝鮮では、食糧(穀物)の配給は大人1人あたり、1日600グラムと決められていますが、1995年の大水害などで、昨秋からは大人250グラム、子ども150グラムになり、最近ではそれさえ保障されていないといわれています。
このように重大な北朝鮮の食糧不足にたいして、世界食糧計画(WFP)は、2月に総額4160万ドルの援助を各国に要請しました。国連人道問題局(DHA)も、4月4日、1億2600万ドルの援助を各国に要請しました。WFPの要請を受けて、米国は1000万ドル、韓国は600万ドルの援助を決定しました。
これに基づいて、6月12日、第1次分として1200トンの支援物資が韓国から北朝鮮に引き渡されました。日本政府も、95年には50万ドル、96年には600万ドルの援助を実施しましたが、今年に入ってからは、こうした人道的援助を拒否しています。
北朝鮮では6月上旬に、全国で田植えが終わり、今秋の収獲が期待されます。しかし、北朝鮮の民衆にとって、収獲までの食糧不足が極めて深刻であり、日本の民として、意見の相違を越えた人道上の立場から、緊急に援助の手を延べなければならないと考えます。
政府が食糧などの支援を決定するまでのあいだ、私たちの出来ることとして、日本の民から北朝鮮の民にお米を送りたいと考えました。
労働者・市民・農民の皆さん! ぜひともお米をお寄せください。重ねてお願い致します。
1997年6月22日
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の民衆に、食糧を緊急支援する石川県民の会


