20211008 金沢城公園のシタベニハゴロモ
昨年(2020年)9月に金沢城公園にシタベニハゴロモが大量に発生したという記事が掲載され、その後の状況が気に掛かっていた。
去る9月29日に、金沢城公園でのシタベニハゴロモ発生状況についての公文書開示を請求し、10月8日に金沢城・兼六園管理事務所が作成した文書が開示された。
開示された文書は、2019年11月に石川県自然史資料館の学芸員(Sさん)が金沢城公園に調査に訪れた「報告メモ」(シタベニハゴロモのサンプルを確保)と、シタベニハゴロモの駆除状況が記載された「金沢城公園作業員日報」(2020年及び2021年)である。
「報告メモ」によると、2019年には、すでにシタベニハゴロモが定着していたが、管理事務所はその虫がシタベニハゴロモとの認識に至っておらず、11月にSさんが訪問してはじめて対象化され、次年度以降捕殺対応をおこなうことになった。
2020年8月22日から10月23日までの「日報」のうち29日分に三十間長屋、本丸、弾薬庫前、二の丸などで捕殺がおこなわれたことが記録されている。捕殺数は記録されていない。
2021年は8月25日から捕殺が始まり、開示請求前日の9月28までの18日分の「日報」に合計3087匹の捕殺が記録されている。最も多い日で、453匹(8/31)、最も少ない日で49匹(9/24)、平均171匹である。
9月30日に、金沢城公園へ行き、シタベニハゴロモの発生状況を見てきたが、捕殺作業によるのか、それほど目立たなかった。卵塊も探したが、三十間長屋の石垣に1個発見しただけだった。みどり住宅では例年9月中下旬には住宅の壁などに多数の卵塊を見ており、金沢城公園ではどこに産卵しているのだろうか。
金沢城公園にはシタベニハゴロモが吸汁対象とするニワウルシ(シンジュ)が40本ほどあるといわれており、このままではシタベニハゴロモが各地へ拡散する根城となると思われる。成虫の捕殺だけではなく、卵塊の除去などの抜本的な対策が求められているのではないか。
【左:2020年9月9日『北国新聞』/中:金沢城公園作業「日報」/右:三十間長屋の壁に付着したシタベニハゴロモ卵塊】
![]()
<開示文書メモ>
金沢城公園作業員日報
2020年8月22~10月23日までの29日分 シタベニハゴロモ駆除(三十間長屋前、本丸、弾薬庫前、二の丸)
2021年8月25~9月28日までの18日分 シタベニハゴロモ駆除(三十間長屋前、本丸、弾薬庫前、二の丸)。8月25日=270匹/26日=200匹/28日=351匹/30日=87匹/31日=453匹/9月2日=153匹/3日=190匹/4日=120匹/8日=127匹/10日=不明/17日=141匹/19日=219匹/20日=129匹/22日=56匹/24日=49匹/25日=361匹/26日=93匹/28日=88匹 (合計3087匹)
2019年11月15日「報告メモ」
金沢市環境政策課から金沢城公園のシタベニハゴロモ情報あり、Sさんが現地確認。
昨年(2020年)9月に金沢城公園にシタベニハゴロモが大量に発生したという記事が掲載され、その後の状況が気に掛かっていた。
去る9月29日に、金沢城公園でのシタベニハゴロモ発生状況についての公文書開示を請求し、10月8日に金沢城・兼六園管理事務所が作成した文書が開示された。
開示された文書は、2019年11月に石川県自然史資料館の学芸員(Sさん)が金沢城公園に調査に訪れた「報告メモ」(シタベニハゴロモのサンプルを確保)と、シタベニハゴロモの駆除状況が記載された「金沢城公園作業員日報」(2020年及び2021年)である。
「報告メモ」によると、2019年には、すでにシタベニハゴロモが定着していたが、管理事務所はその虫がシタベニハゴロモとの認識に至っておらず、11月にSさんが訪問してはじめて対象化され、次年度以降捕殺対応をおこなうことになった。
2020年8月22日から10月23日までの「日報」のうち29日分に三十間長屋、本丸、弾薬庫前、二の丸などで捕殺がおこなわれたことが記録されている。捕殺数は記録されていない。
2021年は8月25日から捕殺が始まり、開示請求前日の9月28までの18日分の「日報」に合計3087匹の捕殺が記録されている。最も多い日で、453匹(8/31)、最も少ない日で49匹(9/24)、平均171匹である。
9月30日に、金沢城公園へ行き、シタベニハゴロモの発生状況を見てきたが、捕殺作業によるのか、それほど目立たなかった。卵塊も探したが、三十間長屋の石垣に1個発見しただけだった。みどり住宅では例年9月中下旬には住宅の壁などに多数の卵塊を見ており、金沢城公園ではどこに産卵しているのだろうか。
金沢城公園にはシタベニハゴロモが吸汁対象とするニワウルシ(シンジュ)が40本ほどあるといわれており、このままではシタベニハゴロモが各地へ拡散する根城となると思われる。成虫の捕殺だけではなく、卵塊の除去などの抜本的な対策が求められているのではないか。
【左:2020年9月9日『北国新聞』/中:金沢城公園作業「日報」/右:三十間長屋の壁に付着したシタベニハゴロモ卵塊】



<開示文書メモ>
金沢城公園作業員日報
2020年8月22~10月23日までの29日分 シタベニハゴロモ駆除(三十間長屋前、本丸、弾薬庫前、二の丸)
2021年8月25~9月28日までの18日分 シタベニハゴロモ駆除(三十間長屋前、本丸、弾薬庫前、二の丸)。8月25日=270匹/26日=200匹/28日=351匹/30日=87匹/31日=453匹/9月2日=153匹/3日=190匹/4日=120匹/8日=127匹/10日=不明/17日=141匹/19日=219匹/20日=129匹/22日=56匹/24日=49匹/25日=361匹/26日=93匹/28日=88匹 (合計3087匹)
2019年11月15日「報告メモ」
金沢市環境政策課から金沢城公園のシタベニハゴロモ情報あり、Sさんが現地確認。