台湾・中国危機について
8月2日、アメリカ下院議長ペロシが台湾を訪問し、中国・台湾間の緊張を一気に激化させた。アメリカでは、下院議長は正副大統領に次ぐナンバー3の高位人物であり、アメリカ政府の意思として、1997年以来25年ぶりに訪問したのである。
<台湾+米:中国>の軍事的緊張を招いた、その前史から確認しておこう。それはトランプ大統領の時期からはじまった。オバマ大統領の8年間には、台湾への武器売却はわずかに1回だったが、2017年~トランプ政権下の4年間で11回の武器売却。2021年~バイデン政権下でも既に2回の武器売却をおこなっている。
ネット上の記事を検索すると、下記の項目がヒットした。
2019/7 M1A2エイブラムス戦車108両、地対空ミサイルなど2300億円/
2019/8 F16戦闘機(新型)66機を約8900億円で売却/
2020/5 誘導魚雷18基など約186億円
2020/9 巡航ミサイル、機雷など約7350億円
2020/10 高機動ロケット砲システム、空対地ミサイル約1875億円【8回目】
2020/10 対艦ミサイルシステムなど約2500億円の武器売却を承認【9回目】
2020/11 ドローン4機約630億円【10回目】
2020/12 軍事用野外通信システム約290億円、ドローン、ミサイルなど約5000億円【11回目】
2021/4 155ミリ自走榴弾砲など820億円【バイデン政権1回目】
2022/4 迎撃ミサイル・パトリオットなど115億円【バイデン政権2回目】
2021年暮以降の日米の対中国軍事動向を新聞記事で見ると、
【12/24】自衛隊+米軍―台湾有事を想定し、共同作戦計画(遠征前方基地作戦)、
【12/27】海保+警察+自衛隊―魚釣島上陸訓練(11月)、
【2/17】防衛大臣「他国領土からの爆撃を排除せず」(2/16)、
【2/27】安倍「核共有」発言
【3/30】米国家防衛戦略(NDS)―最優先課題は中国、
【4/10】自衛隊+フィリピン軍―対中国「円滑化協定」、
【4/19】自民党安保調査会―防衛費倍増案(GDP比2%)
【4/21】自民党「相手領域内のミサイル発射阻止、相手国の司令部を攻撃目標に」、
【5/23】米国が核兵器と通常戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」の強化(対中国)、
【5/24】岸田「自衛隊による相手国(中国・朝鮮)領域内への攻撃も選択肢」(23日記者会見)、
【5/24】インド太平洋経済枠組み(IPEF)発足(対中国包囲)、
【5/25】バイデン「台湾有事に軍事的に対応する」(23日記者会見)、
【6/2~4】米韓合同演習(原子力空母ロナルド・レーガンなど)―沖縄南東
【6/8】米(F16/4機)・韓(F35/16機)黄海飛行(7日)、
【6/18】対中国「太平洋新構想」(日、米、豪、ニュージランド、英、仏)、
【7/2】日(F15/F2)・米(B1)共同訓練(6/22沖縄南方、6/29東シナ海)、
【7/26】米軍―東シナ海で日中中間線越え(6月下旬)、
【8/3】ペロシ台湾入り(2日~)、米海軍―空母打撃軍派遣
その上で、8月2日、バイデンはナンバー3・ペロシ下院議長を台湾に送り、中国に軍事的揺さぶりをかけた。中国は激甚に反応し、「ペロシ訪台」が報道されるや、7月30日以降台湾に近い海域、南シナ海などで軍事訓練を開始した。8月9日には、台湾軍も、バイデンから供与された155ミリ自走榴弾砲を、中国大陸に向けて撃つ訓練をおこなった。
中国敵視政策を止めよ
中国は「一つの中国」政策をとってきたが、中国は台湾が「政府として独立を宣言する」という事態が起きない限りは武力による統合方針をとることはなかった。武力攻撃は統一後の台湾の統治を困難にさせ、中国の政治支配体制の維持を不安定化させるからだ。親中的な国民党が勝利するまで軍事演習を繰り返し、「独立を叫んだら、武力攻撃を受けるんだぞ」というのが、中国のメッセージだ。
しかし、トランプ―バイデンは、独立傾向の強い民進党(蔡英文総統)に中国本土を攻撃できる武器を送り、ペロシを送り、この均衡を破壊しようとしている。アメリカ・バイデンは、偶発的な事件を介して、戦争に発展することをも視野に入れて、日米軍事態勢を構築している。
日本政府も、中台危機に竿を差し、対中国戦争を視野に入れている。安倍は「防衛費のGDP比2%」「敵基地攻撃」「核共有」「改憲」などをぶち上げて、この世を去ったが、岸田政権も同じ道を歩んでいる。
8月2日、アメリカ下院議長ペロシが台湾を訪問し、中国・台湾間の緊張を一気に激化させた。アメリカでは、下院議長は正副大統領に次ぐナンバー3の高位人物であり、アメリカ政府の意思として、1997年以来25年ぶりに訪問したのである。
<台湾+米:中国>の軍事的緊張を招いた、その前史から確認しておこう。それはトランプ大統領の時期からはじまった。オバマ大統領の8年間には、台湾への武器売却はわずかに1回だったが、2017年~トランプ政権下の4年間で11回の武器売却。2021年~バイデン政権下でも既に2回の武器売却をおこなっている。
ネット上の記事を検索すると、下記の項目がヒットした。
2019/7 M1A2エイブラムス戦車108両、地対空ミサイルなど2300億円/
2019/8 F16戦闘機(新型)66機を約8900億円で売却/
2020/5 誘導魚雷18基など約186億円
2020/9 巡航ミサイル、機雷など約7350億円
2020/10 高機動ロケット砲システム、空対地ミサイル約1875億円【8回目】
2020/10 対艦ミサイルシステムなど約2500億円の武器売却を承認【9回目】
2020/11 ドローン4機約630億円【10回目】
2020/12 軍事用野外通信システム約290億円、ドローン、ミサイルなど約5000億円【11回目】
2021/4 155ミリ自走榴弾砲など820億円【バイデン政権1回目】
2022/4 迎撃ミサイル・パトリオットなど115億円【バイデン政権2回目】
2021年暮以降の日米の対中国軍事動向を新聞記事で見ると、
【12/24】自衛隊+米軍―台湾有事を想定し、共同作戦計画(遠征前方基地作戦)、
【12/27】海保+警察+自衛隊―魚釣島上陸訓練(11月)、
【2/17】防衛大臣「他国領土からの爆撃を排除せず」(2/16)、
【2/27】安倍「核共有」発言
【3/30】米国家防衛戦略(NDS)―最優先課題は中国、
【4/10】自衛隊+フィリピン軍―対中国「円滑化協定」、
【4/19】自民党安保調査会―防衛費倍増案(GDP比2%)
【4/21】自民党「相手領域内のミサイル発射阻止、相手国の司令部を攻撃目標に」、
【5/23】米国が核兵器と通常戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」の強化(対中国)、
【5/24】岸田「自衛隊による相手国(中国・朝鮮)領域内への攻撃も選択肢」(23日記者会見)、
【5/24】インド太平洋経済枠組み(IPEF)発足(対中国包囲)、
【5/25】バイデン「台湾有事に軍事的に対応する」(23日記者会見)、
【6/2~4】米韓合同演習(原子力空母ロナルド・レーガンなど)―沖縄南東
【6/8】米(F16/4機)・韓(F35/16機)黄海飛行(7日)、
【6/18】対中国「太平洋新構想」(日、米、豪、ニュージランド、英、仏)、
【7/2】日(F15/F2)・米(B1)共同訓練(6/22沖縄南方、6/29東シナ海)、
【7/26】米軍―東シナ海で日中中間線越え(6月下旬)、
【8/3】ペロシ台湾入り(2日~)、米海軍―空母打撃軍派遣
その上で、8月2日、バイデンはナンバー3・ペロシ下院議長を台湾に送り、中国に軍事的揺さぶりをかけた。中国は激甚に反応し、「ペロシ訪台」が報道されるや、7月30日以降台湾に近い海域、南シナ海などで軍事訓練を開始した。8月9日には、台湾軍も、バイデンから供与された155ミリ自走榴弾砲を、中国大陸に向けて撃つ訓練をおこなった。
中国敵視政策を止めよ
中国は「一つの中国」政策をとってきたが、中国は台湾が「政府として独立を宣言する」という事態が起きない限りは武力による統合方針をとることはなかった。武力攻撃は統一後の台湾の統治を困難にさせ、中国の政治支配体制の維持を不安定化させるからだ。親中的な国民党が勝利するまで軍事演習を繰り返し、「独立を叫んだら、武力攻撃を受けるんだぞ」というのが、中国のメッセージだ。
しかし、トランプ―バイデンは、独立傾向の強い民進党(蔡英文総統)に中国本土を攻撃できる武器を送り、ペロシを送り、この均衡を破壊しようとしている。アメリカ・バイデンは、偶発的な事件を介して、戦争に発展することをも視野に入れて、日米軍事態勢を構築している。
日本政府も、中台危機に竿を差し、対中国戦争を視野に入れている。安倍は「防衛費のGDP比2%」「敵基地攻撃」「核共有」「改憲」などをぶち上げて、この世を去ったが、岸田政権も同じ道を歩んでいる。