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20191201 金沢市のガス・発電事業を株式会社に譲渡するな

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金沢市のガス・発電事業を株式会社に譲渡するな

 先日、金沢市のガス・発電事業譲渡に関するパブリックコメントの用紙が送られてきました。私は、金沢市のガス事業・発電事業を株式会社に譲渡することには反対します。

 株式会社は利潤を追求する団体であり、利用者の利益は後回しにされます。戦後、多くの公共事業が株式会社化され、公共的責任が切り捨てられてきました。株式会社の責任は会社存続の限度内であり、それ以上の責任を負わないシステムになっています。マルチ商法を展開して、老後資金を詐取したジャパンライフは「倒産」して、被害者を置き去りにしました。

 ガス事業は危険な「ガス」を扱う事業であり、安全を重視した経営が必要です。株式会社経営では、災害時に最もその弱点をあらわにします。たとえば、東京電力福島原発事故がそのよい例です。金儲けになるなら、どんなに危険な施設でもよいとして、原子力発電所を作り、大津波が想定されても、金がかかると言って備えをせず、一旦重大事故が起きると、私企業の故に被害者の救済は十分には出来ず、被害者は泣き寝入りさせられています。私企業では対応できないので、結局は政府や自治体に救済を依存するしかないのです。

 説明文書に、「(株式会社に譲渡すれば)自由な料金で販売することが可能」と書かれており、あたかも料金が安くなるかのように書いていますが、それではこれまでの企業局の料金設定は割高だったのでしょうか。また、株式会社に譲渡したら、必ず料金が安くなるのでしょうか。郵便局が民営化された後、郵便料金がどんどん高くなっているではありませんか(今年の4月、郵便振替料金が80円から150円に値上げ<88%アップ>)。

 利益を確保したうえで、料金を安くするときには、どこかを削らねばならず、結局は職員数と安全・保守分野を削るしかないのでしょう。しかも、譲渡先の株式会社が安全面での手抜きを補うために金沢市が「譲渡先へ出資する」と書いてあり、金沢市自身も、譲渡先株式会社が職員数、安全・保守分野を削減するだろうと予測しているではありませんか。

 最近では、福祉事業を株式会社が経営することによって、本来の福祉が切り捨てられています。儲け優先で、雇用人員を最低限にして、職員は年休も取れず、過重労働のため、利用者へのサービスが低劣化しています。福祉を金儲けの手段にすれば、効率化が要求され、「高齢者が無駄に生きている」という考え(優生思想)と結びつき、やまゆり園事件のような悲惨な事件が発生してくるのです。

 安全をないがしろにして、料金が安くなっても、その結果危険が増大するなら、それはよい選択とは言えないのではないでしょうか。しかも、この説明書を読むと、株式会社への譲渡のメリットばかりが書かれており、市民にたいする適正な文書とは言えません。

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